福祉に対する考え方と体験実習のあいだで・・・ [社会福祉一般]
既に先週のことになるのだが、今回は大学の社会福祉・体験実習に関わる話をしてみたい。
体験実習といえば、プレ現場実習を指している。ところがこれは実質的には殆ど「実習」とまでは言えない初歩的なものであることを認識しておかなければならない。ぶっちゃけた話、これは<「福祉の現場」ってどんなところ?>という初学者級の問いから出発する実習であるに過ぎない。しかし、その先に「現場実習」を控える意味では、福祉現場を志すものにとっての動機付けとしての機会であり、疎かに出来ないことなのだ・・・というのが、まあ、凡その認識になるかと思われる。
実際、福祉現場については頭の中でのイメージは相当に出来上がっていたとしても「百聞は一見に如かず」の例えもあり、過去に多少の関わりを持ったことがあったとしても、実習において隔世の感を味わうことだってあり得る。そう考えると、実習というものは不思議な学習だなあと思うものだ。ある程度のベテランであるとか、その道の有識者と社会的に認められるような立場の人の場合は、それは実習ということではなく視察、研修というような場面に切り替わり、当然、視点も大きく変わることだろう。
こんなことをつらつらと考えながら、先日はその体験実習のための事前打ち合わせを目的に、地元の区社会福祉協議会と在宅福祉センターの2箇所を訪問してきた。実は今回の取り組みは私にとってこの15年近くの間で大きく変わろうとするものでもある。というのも、長らく携わってきた障害児者福祉・児童福祉の分野から高齢者福祉・地域福祉へ視点を変えているからである。厳密に言うと「視点を変えている」のではなく、視野を広げようという試みをしているということになる。勿論、障害児者福祉や児童福祉について分かった気になるわけでは無くこれからも貪欲に見つめていくつもりなのであるが、大学という学びの場に帰ってきたこの機会を使って、もう一度総合的に福祉を学び直そうと考えたのである。
いや、それも漠然とした表現にとどまってしまっている。本音を言うと、最近の私自身の仕事の現状を考えるにつけ、視野狭窄に陥りかけてもおり、且つ何かしら充たされないものを抱えて悶々としていたことが大きい。こんな状況で仕事を続けていて良いのだろうかと悩むことが増えていることが、視点を変えようという動機になっているのである。これは早い話が現実逃避と受け取られかねないことなのではあるが、そんなことはどうだって良いのだ。自分自身の内面に正直に生活していくためにも、きれい事は言うつもりは無い。
今の私にとって将来の展望をどう描いているのかという問いはとても説明に困ることである。この数年の間の仕事一筋の生活で、実は具体的な目標が吹っ飛んでしまっているのである。そう、今の私はいわば個別具体的な目標を明確に持てなくなっている、ペーペーの学生に回帰しているようなものだ。社会福祉が好きでたまらなくてこだわってきた私にとって、今は本当に辛い時期だなあとつくづく思っている。勉強は面白く楽しいし、個別の仕事も単体としてはやり甲斐のあるものだと感じているのだがそれらに埋没している感があり、それだけに、自分の将来像が描けなくなっているのを痛感しているのだ。こんな社会であってほしい、そのために自分が果たし得る福祉役割はどんなことだって引き受けていきたい、そういう情熱だけはあるのだが、それが具体像に結びついていかないジレンマが今の私には横たわっているのである。
このことを打開する一つの手段として、実習で視点を変えるということを思い立った。こうした考えの下にねらいを定めたのが高齢者福祉・地域福祉分野である。これまで見てきた障害児者福祉・児童福祉の世界にそれらのものをフィルターとして用いることで見えてくる何かを感じたい。それが次へのきっかけに出来るかもしれない。そんな淡い(甘いとも言えるだろう)期待で、在宅福祉センターや社会福祉協議会の人と対話をしてきた。果たして、それは私の予想通りの結果であり、きっかけなどというものはそう簡単に見出せるものでもないようだった。が、先方では、私の視点のシフト振りに関心を深く寄せてきて下さっていた。特に、在宅福祉センターの人は私の福祉に対する思いについて、共感的態度で受け止めて「もし実習をするというのであれば体験実習程度でなく本実習で来ませんか。あなたのお持ちの考え方は貴重であり、私たちも求めていた価値観ですから。私もあなたと共通した考えを持っているので心強いと感じました。是非この分野の実情についても多くのものを吸収して欲しいと大いに期待しています」とのことだった。正直なところ、社会福祉学部生時代にはろくすっぽ高齢者福祉や地域福祉についてまともに理論的な勉強をしていなかった私にとって、こんな反応だけは大変意外で同時に有難いものであった。一瞬お得意の社交辞令かとも思ったが、相手の話し振りから、決してそんな半端な気持ちではないということも感じられて、嬉しくなった。
体験実習といえば、プレ現場実習を指している。ところがこれは実質的には殆ど「実習」とまでは言えない初歩的なものであることを認識しておかなければならない。ぶっちゃけた話、これは<「福祉の現場」ってどんなところ?>という初学者級の問いから出発する実習であるに過ぎない。しかし、その先に「現場実習」を控える意味では、福祉現場を志すものにとっての動機付けとしての機会であり、疎かに出来ないことなのだ・・・というのが、まあ、凡その認識になるかと思われる。
実際、福祉現場については頭の中でのイメージは相当に出来上がっていたとしても「百聞は一見に如かず」の例えもあり、過去に多少の関わりを持ったことがあったとしても、実習において隔世の感を味わうことだってあり得る。そう考えると、実習というものは不思議な学習だなあと思うものだ。ある程度のベテランであるとか、その道の有識者と社会的に認められるような立場の人の場合は、それは実習ということではなく視察、研修というような場面に切り替わり、当然、視点も大きく変わることだろう。
こんなことをつらつらと考えながら、先日はその体験実習のための事前打ち合わせを目的に、地元の区社会福祉協議会と在宅福祉センターの2箇所を訪問してきた。実は今回の取り組みは私にとってこの15年近くの間で大きく変わろうとするものでもある。というのも、長らく携わってきた障害児者福祉・児童福祉の分野から高齢者福祉・地域福祉へ視点を変えているからである。厳密に言うと「視点を変えている」のではなく、視野を広げようという試みをしているということになる。勿論、障害児者福祉や児童福祉について分かった気になるわけでは無くこれからも貪欲に見つめていくつもりなのであるが、大学という学びの場に帰ってきたこの機会を使って、もう一度総合的に福祉を学び直そうと考えたのである。
いや、それも漠然とした表現にとどまってしまっている。本音を言うと、最近の私自身の仕事の現状を考えるにつけ、視野狭窄に陥りかけてもおり、且つ何かしら充たされないものを抱えて悶々としていたことが大きい。こんな状況で仕事を続けていて良いのだろうかと悩むことが増えていることが、視点を変えようという動機になっているのである。これは早い話が現実逃避と受け取られかねないことなのではあるが、そんなことはどうだって良いのだ。自分自身の内面に正直に生活していくためにも、きれい事は言うつもりは無い。
今の私にとって将来の展望をどう描いているのかという問いはとても説明に困ることである。この数年の間の仕事一筋の生活で、実は具体的な目標が吹っ飛んでしまっているのである。そう、今の私はいわば個別具体的な目標を明確に持てなくなっている、ペーペーの学生に回帰しているようなものだ。社会福祉が好きでたまらなくてこだわってきた私にとって、今は本当に辛い時期だなあとつくづく思っている。勉強は面白く楽しいし、個別の仕事も単体としてはやり甲斐のあるものだと感じているのだがそれらに埋没している感があり、それだけに、自分の将来像が描けなくなっているのを痛感しているのだ。こんな社会であってほしい、そのために自分が果たし得る福祉役割はどんなことだって引き受けていきたい、そういう情熱だけはあるのだが、それが具体像に結びついていかないジレンマが今の私には横たわっているのである。
このことを打開する一つの手段として、実習で視点を変えるということを思い立った。こうした考えの下にねらいを定めたのが高齢者福祉・地域福祉分野である。これまで見てきた障害児者福祉・児童福祉の世界にそれらのものをフィルターとして用いることで見えてくる何かを感じたい。それが次へのきっかけに出来るかもしれない。そんな淡い(甘いとも言えるだろう)期待で、在宅福祉センターや社会福祉協議会の人と対話をしてきた。果たして、それは私の予想通りの結果であり、きっかけなどというものはそう簡単に見出せるものでもないようだった。が、先方では、私の視点のシフト振りに関心を深く寄せてきて下さっていた。特に、在宅福祉センターの人は私の福祉に対する思いについて、共感的態度で受け止めて「もし実習をするというのであれば体験実習程度でなく本実習で来ませんか。あなたのお持ちの考え方は貴重であり、私たちも求めていた価値観ですから。私もあなたと共通した考えを持っているので心強いと感じました。是非この分野の実情についても多くのものを吸収して欲しいと大いに期待しています」とのことだった。正直なところ、社会福祉学部生時代にはろくすっぽ高齢者福祉や地域福祉についてまともに理論的な勉強をしていなかった私にとって、こんな反応だけは大変意外で同時に有難いものであった。一瞬お得意の社交辞令かとも思ったが、相手の話し振りから、決してそんな半端な気持ちではないということも感じられて、嬉しくなった。







実は近しい人が老人の方などの介護関係の仕事をしようとじょじょに色々な資格を取っている最中なのですが、
一歩現実に踏み出すことがなかなかしづらいようです。
その人はかなり堅実派なんですが、介護の仕事の経験は全くないわけで、
それらについての内実が全て情報の中でしかなく、
その堅実なところが逆に一歩踏み出すのを遅くさせているという気もします。
そういう所で頭で思うのと実地を伴ったものとは違うんじゃないかと思うんですが・・・
ここで聞いてもその人にどう言えばいいものか・・・;
by kou (2008-08-30 01:09)
Kouさん、コメント有難うございました。
まあ、頭の中のイメージと現実が違うなんてことはよくありますよね。
でも、それがために臆病になってしまっていては、いつまで経っても経験のチャンスは得られないし、失敗を味わうということは以後の実践に必ず影響してくるもので、よく学ぶことも出来るのだと考えてほしいですね。
情報をキャッチと言いますが、その情報は本当なのだろうかと疑ってみることはとても大事だということは皆さんも本当はよくご存知のことと思います。
誰でも初めは初心者だとは言い古された台詞ですが、失敗の数ほど自分の経験地が高められることを信じてトライしていってほしいですね
by たーぼ (2008-09-03 01:46)