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売れている大人の絵本 『ARRIVAL』 [絵本]


The Arrival

The Arrival




昨年、『大人向けのクリスマスプレゼントに』、ということでテレビで取り上げられていた絵本
絵本の内容にはいっさい説明もセリフもない。絵だけでストーリーは展開する。

主人公の男は妻と子供を残し、へんてこな国へ出稼ぎに行ったらしい。
へんてこな建造物。へんてこな食べ物。へんてこな動物。へんてこな文字。てんてこだらけ。
そこで、いろいろな人と出会い、言葉は通じないけれど、気持ちは通じていく。
全体的に暗い世界だが、そこで主人公は希望は見出せる。

ふと思ったのは、私が初めてヨーロッパを旅した時に感じた雰囲気が似ていた。これほど異様ではないが、気持ちはそっくり。で、なんとなく、「そうそう」なんて共感してしまった。
文字がない分、絵を見て、いろいろ想像してみるのもいい。読むのではなく見る本なのだから。あれこれ細部まで見ながら、自分なりに、このへんてこな国を想像してみた。

文字がないと、かえって時間がかかることを発見した。

この本を買おうと思ってみたら、日本語版は売れ切れだった。
で、英語版を買うことにした。値段もこの方が安い。どうせ、内容には文字の部分なんてないのだから。
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伊坂幸太郎の世界 『オ―デュポンの祈り』 [小説]


オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)



東北にある、地図に載っていない島でのお話。
仙台でやけっぱちのコンビニ強盗未遂をして主人公は、この島に辿り着く。
未来を予言するかかし、人殺しを公認されている男、反対のことしか言わない画家、などがいる奇妙な島。
読み進むに従って、話はある程度、解明されていく部分もあるが、ほっとかれる部分も残る。
伊坂幸太郎の小説は、こんなふうに謎を残して終わってもいい世界なのかもしれない。
地図にも載っていない、存在しないはずの島でのできごとなのだから。

私の好きなジョン・アービングを思い出した。『ガープの世界』や『ホテルニューハンプシャー』も淡々となんでもありの独特の世界が繰り広げられていく。

気になったのは、島の外で、悪行を続ける警官が、意気揚々と島に乗り込んだとたん、あっけなく撃ち殺されてしまうこと。殺人を公認されている「さくら」に。
まあ、私的には、ほっとしたのだけれど。
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『のうだま やる気の秘密』 グータラになりがちな季節に [自己啓発]

今は梅雨。
なんだか気分もぐずぐず・・・・・・。
と、もともとグータラな自分としては言い訳しやすい季節となりました。(笑)
でも、生きている限り、やらなくちゃならないこともある。頑張らなくちゃ、と思うこともある。
で、反省して手にしたのが『のうだま』。
聞き覚えのない言葉に惹かれて読んでみました。

人間の脳は元来飽きっぽくできている。
それは、異なる環境にも適応して生きていくために必要な『馴化』というものがなせるワザらしい。・・・と細かい説明は本を読んでいただくとして、本の題名『のうだま』とは脳の中にある淡蒼球のこと。これが活性化しているイコールやる気になっている、らしい。
で、それにスイッチを入れる方法が4つ紹介されている。これが大切。
①身体を動かす・・・・・・理屈抜き。とにかく行動してみる。私は腹筋とスクワットを始めた。テレビを見ながらだけど。
中でひとつ面白いこと。割り箸を噛む。噛むというのは笑顔に近い表情なのだそうです。つまらなくても、とりあえず笑顔を作ってみる。するとなぜか目の前のことが面白いと思えてくる。集中力も増し、小顔にもなるらしい。これもテレビを見ながらできそうだ・・・って、それじゃあまり意味ないか。
②いつもと違うことをする
③ごほうびを用意する
④なりきる

②から③までの説明は省くが、この本、読みやすい。その分、読み終わったら忘れる可能性が大きい。従って、メモっておいて、やる気にならない時には読み返してみようと思う。


のうだま―やる気の秘密

のうだま―やる気の秘密




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落ちも因果もない世界『百物語』杉浦日向子著 [江戸文化]

何気なく手にした『百物語』だが、意外に後をひいた。
ご隠居さんが、町の人々から話を集める形をとっている。
人々はささやかな生活の中で経験した不思議なことを話す。

例えば、「猫と婆様の話」。
糸屋の小僧がお使いの道中に見た不思議。
ある家の庭先で老婆が白魚をよりわけていた。その背後に老猫が日向ぼっこをしていた。
すると、猫が
「婆様、それをおれに食わしや」
と言った。
「おぬし何をいうぞ」
と婆様はたしなめた。

それだけの話。
口をきいた猫が何者で平然と答えた婆様が何者か、なぜ小僧に猫の声がきこえたのか、まったく説明はない。小僧には猫と婆様がよく似て見えた、とだけ。

そんな話が99話続く。
一話ごとに、いったん本を閉じて、自分なりに納得がいくよう話を再構築するのもよし。
不思議は不思議として、そのままにするもよし。

百物語 (新潮文庫)

百物語 (新潮文庫)




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人の心の中を読み違えると・・・『嘘をもうひとつだけ』東野圭吾著

『ガリレオ』と呼ばれる科学者が探偵役を務めるシリーズやその他の作品がTVドラマ化や映画化され、東野圭吾の作品は一つならず知っている方も多いと思う。

旬の作家にはハズレが少ないので、買ってみた。文庫の短編集なので、持ち歩けて読みやすい。
それにタイトルがちょっといい。『嘘をもうひとつだけ』。なんだか惹かれた。
こちらは、刑事、加賀恭一郎が謎解きをする。同じく、加賀恭一郎が活躍するものもシリーズ化しているようだ。

さて、この短編集。どれも私好みの「山椒は小粒でピリリと辛い」話で構成されている。
一つを紹介する。
『狂った計算』。
夫の様々な仕打ちのせいで心が離れてしまった主婦、奈央子の前に、建築士の中瀬という男が現れる。二人は恋に落ち、やがて、二人は奈央子の夫を殺す計画を立てる。
なんだかTVの2時間ドラマにうってつけのような筋立てだが、東野圭吾にかかると、ちょっと違う味付けになってくる。
夫を騙して殺し、中瀬が夫になりすまして、奈央子のアリバイを作る・・・・・・・そんな計算だったが、それを狂わせる要因がいくつも加わる。

まず、夫が彼らの計画を事前に知ってしまったこと。
しかし、夫は騙されたフリをして、犯行計画に乗り、中瀬を返り討ちにしたこと。
そして、なぜか計画を続行させたこと。
更に偶然が・・・・・・あまり、明かしてしまうと読む楽しみがなくなってしまうので、ここまで。

話の終わりごろ、加賀は、夫の様々な仕打ちも実は奈央子を愛し自慢に思っていたことの現れだと解き明かす。それを意地悪で全然思いやりのない夫だと奈央子が誤解していたことが全ての発端だった。

人は嘘をつく。行動と思いとがいつも同じだとは限らない。そこに神様は残酷な罰を与える。いや、悪魔が付け入るスキを造ると言うべきか。
嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 文庫


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マインド・マップ


マインドマップ(R)for kids勉強が楽しくなるノート術

マインドマップ(R)for kids勉強が楽しくなるノート術




記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術

記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術

  • 作者: ウィリアム・リード
  • 出版社/メーカー: フォレスト出版
  • 発売日: 2005/09/02
  • メディア: 単行本





本は好きだが、読んで時間がたつと内容がぼやけてくる。面白かった小説なども他人にあらすじを話すといいかんげんなものになったりするし、実用的な勉強術などの本も自己啓発的な本も読んだだけですぐに忘れる。
せっかく使った読書の時間が身になっていない。もったいないことだ。
あげく、本を買っただけで読んだ気になって、ほったらかしに。
ますます無駄を積み上げる。
やがて積まれた本は自己嫌悪の極みとなる。

で、最近聞いた「マインド・マップ」という手法を試そうと、上の3冊を手にした。1冊目は子供用だから、簡単に目を通せるし分かり易い。全く知らないものを勉強する時、子供用というのは手がかりになる。で、今2冊目を読んでいる。これも字が大きいし、図もあるので、意外と早く読み終わりそうだ。
記憶力や発想力が高まったら、それは素晴らしいと思う。
努力が効率よく身につくということだから。

このごろ、ノートのとり方も変わってきた。色を変え、線をひき、文字の大きさまで変えて、まるで地図のようだ。
こうやっているうちに、本当に記憶力や、夢に近づくためのより良いアイデアが出てくるようになるといいのだが。

ミレイ展にて




渋谷Bunkamuraで『ミレイ展』を鑑賞してきました。
最初にお断りしておきますが、『落穂拾い』のミレーではありません。別人です。

英国ヴィクトリア朝の画家、ジョン・エヴァレット・ミレイは、19世紀の人。具象画です。
私は昔、教科書で彼の描いた「オフィーリア」を見ました。以来、実物を観たいとずっと思っていました。
念願叶って、本物をみることができたわけです。
実物を観て驚いたのは、その精密な描写です。
冷たい水、ゆったりした流れ、鬱蒼とした木々、オフィーリアの手からこぼれていく花々。
歌うようなオフィーリアの顔。悲しみも絶望もなく・・・。

シェークスピアの物語『ハムレット』では愛するハムレットに父を殺され、「尼寺へ行け!」・・・これは、彼女にとって「死んでしまえ!」と言われたのと同じこと・・・とまで言われて、ショックのあまり、彼女は発狂してしまうのです。愛する人に突然こんなことを言われては。
狂った彼女は花をとろうとして足を滑らせ川に落ちて死んでしまいます。

川を流れていく彼女は少し口を開けています。なにか歌っているのでしょうか。目は開いていますが、何を見ているというでもなく・・・。

会場は思ったほど混雑していなくて、ゆっくりと鑑賞できました。
しばし、この絵の前で佇み、物語のことにまで思いを馳せました。

「しっかし、ハムレットいう男はほんまにひどいやっちゃ」なぜか関西弁でこんなセリフが浮かんできました。


謎解き『ハムレット』―名作のあかし

謎解き『ハムレット』―名作のあかし

  • 作者: 河合 祥一郎
  • 出版社/メーカー: 三陸書房
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本



王道を行くおとぎ話 『ペネロピ』 [映画]


ペネロピ

ペネロピ



先祖の悪行の祟りでブタの鼻を持って生まれてきた少女ペネロピのお話。
呪いをとくためには、良家の男性と結婚することだ、と思い込んだ両親のせいで、彼女は財産目当ての良家の男と見合いをする。
マジックミラー越しのお見合いだ。
彼女からは見えているが、相手の男性からは彼女が見えない。
いろいろと話した後、彼女が出て行くと・・・どの男も化け物を見た、とばかりに逃げ出す。部屋を出て真っ直ぐに廊下を走り、つきあたりのガラス窓から飛び出す。次々と・・・。ガラスが砕け散り、見合い相手が逃げていく。
そんな中、賭け事に身をやつした男が現れる。彼も見合い相手なのだ。ただ良家の出ということに胡坐をかいているつまらない男どもを見飽きたペネロピの目には、彼が新鮮に映る。行動にもおしゃべりにも意外性があって楽しい。
しかし、・・・。
彼にはいろいろな事情があった。
で、失恋したペネロピは外へ出て行く。それまでまで、ずっと広いとはいえ、屋敷の中で暮らしていた。
・・・おとぎ話の定石通り、最後はハッピーエンド。

私は予想していたより良かったと思う。
ただ、ブタの鼻が消える条件がイマイチだった。
え、そんなに簡単に呪いがとけちゃっていいの? という感じ。
それ以外は良いできだった。結構、笑えたし、楽しめた。

最後に、ペネロピ役のクリスティナ・リッチについて。
ご存知「アダムスファミリー」のあの恐い女の子。あれからどれくらいの年月がたったか。でも、変わっていない。すぐに分かりました。
これだけ個性が強いと、役者としては損かも、なんて思いました。どんな役でもできるというわけにはいきそうもないから。



笑いながら読める啓発本 『夢をかなえるゾウ』 [自己啓発]


夢をかなえるゾウ

夢をかなえるゾウ




神様は突然現れる。
「おい、起きろや」と言って。
象のように長い鼻と片方が欠けた牙、四本の腕を持った、関西弁を使う神様だ。
名前をガネーシャという。
「今からワシのいうことをたった一度でも聞かんかったら、もう一生、何かを夢みることなく、いままでどおりのしょうもない人生をだらだら過して後悔したまま死んでいきます、いう誓約や」
という契約書に主人公はサインする。
この神様、主人公の差し出したあんみつをめっちゃうまと食べ、朝食にベーコンがついてなかったと言って狂言自殺まで図る。変な神様だ。だが、それは彼なりの理屈がある。ベーコンは神に対する「お供え」で、それをないがしろにすることは、自分すなわち神をないがしろにすることだ、と。
読みながら吹き出してしまった。
ガネーシャの出す課題は「靴をみがくこと」「腹八分目」「コンビニで募金する」など簡単なことから始まる。
これって自己啓発。
笑って楽しめる自己啓発本だ。

『ガネーシャ名言集』なるものが本の終わりの方にあるから、ここだけでも見て欲しい。
たくさんあるので、お気に入りを一つだけでも心に刻んでほしい。
私のお気に入りの一つはこれ。
「ええか? 自分が本当に成功したかったら、その一番の近道は、人の成功を助けること、つまり・・・愛やん?」(人の成功をサポートする)
愛か、本当に全てに・・・家族や友人や仕事仲間や、仕事自体にも、飼い猫にも、草木にも、自然にも・・・人類みんなにも、地球にも、もっと愛をもって接することができたら、きっと素晴らしいことになるだろうな、なんて夢見てしまいました。
夢をかなえるぞう! まずは掃除から(笑)

作家と猫とのさまざまな愛の形 『作家の猫』 [猫]


作家の猫 (コロナ・ブックス)

作家の猫 (コロナ・ブックス)



以前から作家の肖像写真に猫が入っているのをよく見かけ、気になっていた。
この本は作家と猫との愛の生活の記録である。
なんとなく、猫や犬の飼い主との関係を比べてみると、犬は飼い主の奴隷であり、犬にとって飼い主はあくまでご主人様。
しかし、猫は違うようだ。
藤田嗣治は「猫は友達」と言う。飲んでボロアパートへ一人帰る道すがら、一匹のノラ猫を拾ったのが猫との付き合いの始まり。猫は彼の孤独をなぐさめ、モデルにもなり・・・つまりは生涯の大切な親友となった。
南方熊楠は「もし妹がこの猫に生まれあったら棄てるに忍びず」と妹の死の数日後に出会った猫を飼い始める。
猫との出会いは不思議である。
内田百閒は突然姿を消したトラブチ猫を探し13年も待った。「ノラや、おまえは3月27日の昼間、木賊の繁みを抜けてどこへ行ってしまったのだ。・・・・・・今日は帰るか、今帰るかと待ったが、ノラやノラや、お前はもう帰って来ないのか」・・・その切々とした言葉に涙が浮かんだ。百閒はこのノラのために迷い猫のビラを配ったり、新聞広告を出したりしたという。こうなると猫以上というか、人間以上かもしれない。
大仏次郎の猫好きも有名だ。この本には、何匹もの猫がいっせいにご飯を食べている姿を嬉しげに見ている作家の写真が載っている。
飼い猫、通い猫、一時的に居た猫など、合わせて500匹の猫と付き合ったというから、この嬉しそうな顔にも納得がいく。
「来世というものがあるかどうか、僕未だにこれを知らない。仮にもそれがあるならば、そこにも此の地球のように猫がいてくれなくては困ると思うのである」とすら書いている。
そう、猫と付き合うと来世まで考えるようになる。
その他にも、夏目漱石、寺田寅彦、熊谷守一、朝倉文夫、谷崎潤一郎、ヘミングウェイ、池波正太郎、幸田文、仁木悦子、開高健、など登場する。
そして、最後に、この本の表紙を飾った可愛い猫「とらちゃん」は中島らもの飼い猫だ。
「たおやかな峰のような背中。ときどきぴくりと動く耳。丸まった足の裏からのぞいている肉球。おれの無口なペン先ではとても描写できないほどとらちゃんは愛らしい」ときた。
もう、猫好き、猫ばか、本領発揮!である。

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