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パトリシア・コーンウェル『神の手』 [書評]

そもそも私のなかでは、ダン・マリーノは刑事として仕事はできるが、よれよれのコートをきた、風采の上がらない男の印象なのだが、今回はハーレーを乗り回したり、とかなりイメージが異なる。いまさら説明の必要もないパトリシア・コーンウェルの検屍官スカーペッタ・シリーズの最新作『神の手』ですね。最近では読後に失敗したなと思うことがほとんどなのだが、それでも性懲りもなく新作が出ると手にとってしまいますね。まあ、この『神の手』は、このシリーズの最近の作品の中では、出来はよいほうでしょう。
三人称の視点のため、犯人の側からも描かれていますが、真相を知ると、実にうまい伏線が張ってあったことが判る仕掛けになっている。

ところで、今回読んで思いついたのですが、マリーノとケイ・スカペッタの関係は実は、男の子と母親の関係に似ている。当然、男の子であるマリーノは母親であるケイ・スカペッタに愛情を抱いている。しかし、その母親には男(ベントン)がいて、面白くないが、子供である自分はその男にとってかわることはできない。そこで、何とか母親の気を惹こうとする。と、いうのが最近のこのシリーズの構図ですね。

このシリーズの発行部数が最近落ち込んでいるのかどうか知らないが、講談社は最近の不出来を相当意識しているようでもある。例えば、下巻の裏表紙の紹介文では「スカーペッタとベントンの信頼関係に重大な危機が。固い絆を引き裂く、”許されざる裏切り”とは何か!」となっている。実はルーシーの病という新しい展開が用意してあるのだが、どう考えてもそういう仲違いとなる性質のものではない。随分と誇大です。

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書名:神の手
著者:パトリシア・コーンウェル
訳者:相原真理子
出版社:講談社
ISBNコード:4-06-275267-0,4-06-275268-9


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コメント 1

bookman

書籍リストを見ると、結構趣味が一緒なのかな!?今後もよろしく・・・
by bookman (2006-01-30 11:42) 

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