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河合雅司『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』 [書評]

河合雅司未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』を読みました。
タイトル通り、日本の人口減少について書いてある、気分的には暗くなる本ですね。ただ、それに目を瞑ってはいけないということでしょう。

一部では、今後にひかえている人口減少を年表形式で紹介している。代表的なところでは、「2024年:全国民の3人に1人が65歳以上」、「2033年:3戸に1戸が空き家に」、「2039年:火葬場が不足」といった具合である。
二部では、それを回避するための政策案について書いてある。ここで示される政策がどこまで当たっているかはわたしには判断できないが、最近、幾つかほかの書籍で「むしろ人口減少こと、チャンスである」といった論には組していない。また、安部政権の政策についても、「いつ実現するか分からない消費税増税を当て込み、「消費税が上がらないからできない」とやらないための言い訳材料のように語ってきた。」としている。

いずれにせよ、今までのような経済成長を頼みにした政策では駄目で、昨年平田オリザさんの書いた『下り坂をそろそろと下る』覚悟が必要だと思いますね。平田さんのいう対策はわたしにはピンとはこないのだが・・・。
最近、経済産業省の若手官僚が作成した「不安な個人、立ちすくみ国家」という問題提起の資料が話題となっているが、その最後に書かれているように、もう二度目の見逃し三振はできない、ことに変わりはないと思う。





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マイクル・コナリー『転落の街』 [書評]

マイクル・コナリー転落の街』を読みました。

以前からマイクル・コナリーのファンでしたが、Kindleで本を読むようになってから久しく、コナリーの作品が電子書籍化されなかったので、遠ざかっていました。このたび、やっと、電子書籍化されたので、手に取ることができました。さしがにコナリーの作品、面白くもあり、懐かしくもあり、ファンとしてうれしい作品となっている。

ハリー・ボッシュは、いったん退職したのち、再度、定年延長選択制度という制度をつかって未解決事件班に復帰している。20年前の少女強姦殺害事件のDNAがある人物と一致したのが、ことのおこりである。だが、その人物は当時8歳だったことになる。

そのころ、市議として権力をにぎるアーヴィン・アーヴィングの息子がホテルから転落死するという事件が発生する。アーヴィングのご指名で、この件も担当することになるボッシュ。
やがて、なくなった息子ジョージ・アーヴィングがロビーストとして市政がらみの利権を飯の種にしていたことが分かる。そのことで、恨みをかったかと思われるが、意外な真相が明らかになる・・・。

随所で、ボッシュの矜持や信念が語られる。ボッシュ・ファンを安心させてくれる。

ボッシュのようにロス市警に勤務したいという高校生の娘がいるのに、事件でしりあった、女性セラピストに好意を抱く。訳者あとがきによると、ボッシュは60歳になっているそうだが、元気なものだ。


転落の街(上) (講談社文庫)

転落の街(上) (講談社文庫)

  • 作者: マイクル・コナリー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫



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佐藤健一『小説フランス革命(11)八月の蜂起』と『小説フランス革命(12)共和政の樹立』 [書評]

佐藤健一の『小説フランス革命(11)八月の蜂起』と『小説フランス革命(12)共和政の樹立』を読みました。

『八月の蜂起』 では、1792年の8月10日に発生した蜂起によって、いよいよ王権は停止され、フランス革命は新段階にはいるのだが、それを描いている。ただ、前10巻では6月20日の示威行為が失敗に終わったのに、なぜ8月の蜂起が成功したのか、あまり判然としないのが、残念だ。

「ははは、デムーラン君、結婚を考えているなら、女は笑顔で選んじゃいかんぞ。反対にしかめっつらで選ぶんだ。そのブスッとされた顔を、死ぬまで毎日みることになると想像して、それでも我慢できそうなら、そのときは恐れず求婚するがいい」
デムーランが昔、ミラボーに言われた言葉を思い出すシーンがあるのだが、なるほど、その通りですね。

自らは動かなくても、ロベスピエールに実権が集中していくのもみて
「行動なら自分たちでもできる。できないのは、その正しさを言葉に置き換えることだ。ロベスピエールはこれれまでも言葉をくれた。これからも言葉をくれるに違いない。」という表現が出てくる。確かに、そういう一面は今の政治にもありますね。

『共和政の樹立』では、いよいよ、ルイ16世の死刑が実行される。
いよいよ共和政になったのち、ルイ16世の処分が検討されるが、私は知らなかったのですが、のちにロベスピエールの右腕と称される、サン・ジュストが登場してくる。「人は罪なくして王たりえない」という彼の演説によって、大きく死刑に傾くことになる。
淡々とわが運命を受け入れるルイ16世の姿が印象的です。


八月の蜂起 小説フランス革命 11 (集英社文庫)

八月の蜂起 小説フランス革命 11 (集英社文庫)




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堂場瞬一『誘爆 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』 [書評]

堂場瞬一の『誘爆 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』を読みました。ひよこだった新米刑事が成長していく姿を描いた物語だが、本編では、拓真は巡査部長の昇任試験をうかり、捜査一課への栄転が噂されている。

丸の内オフィス街で爆破事件が発生。現場の物流企業で事情聴取を行った一之瀬は、企業脅迫事件と直感する。だが、企業側はその事実を明かそうとしない。折から、有楽町近くで、新たに殺人事件が発生、一之瀬はその殺人事件の捜査に借り出される。やがてその二つの事件が関係していることが分かるのだが、一之瀬は功名心から手順に従わない捜査を実施し、重要な参考人が殺されてしまう…。

一之瀬拓真って、これほど、功名心があるタイプとは思えなかったので、意外である。ただ、将来、拓真のトラウマに残りそうなこの事件にも、裏があり、ある意味救われている。
なお、同作者の別のシリーズの主人公である失踪人捜査課の高城賢吾も登場してくる。一之瀬拓真からは、風采の上がらないオヤジと見られているのが面白い。


誘爆 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)

誘爆 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)




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ロバート・クレイス『約束』 [書評]

ロバート・クレイスの『約束』を読みました。前作『容疑者』に引き続き、ロス市警の巡査スコット・ジェイムズと、雌のシェパードであるマギーの活躍を描くシリーズだが、競演をするのは、ロバート・クレイスの作品ではお馴染みの私立探偵エルヴィス・コールとそのパートナーである元海兵隊員、ジョー・パイクのコンビ。このコール&パイク・シリーズとしては16作目だそうだ。

スコット・ジェイムズ巡査と相棒のシェパード、マギーは、とある住宅街で逃亡中の殺人犯を捜索していた。匂いを頼りにマギーがたどり着いた家のなかには、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物があった。同日、同時刻、同じ住宅街で、私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探しているという女性の依頼を受けて調査をしていた。という書き出しなのだが、そもそもの、この事件にも、国土安全保障省がからむ裏があり…。

前作では、どちらかというと、マギーとスコットの心の交流に力点があったが、本作品では、よりミステリーに力が入っている。犯人たちは、顔を見られたスコットを爆殺しようと企てるが、マギーの活躍で失敗する。すると、今度はマギーを毒殺しようとするが、ここらはハラハラさせてくれる。
スコットの直接の上司で、指導官のドミニク・リーランドから言われる言葉が印象的だ。
「このすばらしい生き物といっしょに過ごす時間の一秒一秒が、天の恵みなんだ。これほどひたむきにおまえを愛し、これほどおまえに全幅の信頼を寄せてくれる生き物は、人間だろうとそれ以外の動物だろうと、ほかにはいないぞ。それを忘れるな、ジェイムズ巡査。(中略)こういう信頼関係は全能の神からの贈り物だ、だから全力でそれにふさわしい人間になれ」


犬好きでなくても、涙が出てくるセリフですね。
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ロバート・クレイス『容疑者』 [書評]

ロバート・クレイスの『容疑者』を読みました。犬好きでなくても、感涙もののミステリーです。

ロス市警の刑事スコット・ジェイムズは相棒のステファニーとパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、ステファニーは死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだ捕まっていない。事件前の決定どおり警備中隊へ配属となったスコットがそこで出会ったのは、新たな相棒マギー。アフガニスタンに従軍し、そこでスコットと同様大切な相棒を失った雌のシェパードだった。心に傷を負ったひとりと一匹が新しいコンビを組み、そもそもの銃撃事件の真相に迫る…。

特に、マギーの立場から書かれた章が秀逸である。銃撃事件の真相はには、意外な裏があり、スコット自身が殺人の容疑をかけられたりするのである。そして、最後は、お決まりの通りであるが、窮地になっても相棒を守ろうとするスコットとマギーの姿が涙をさそう。


容疑者 (創元推理文庫)

容疑者 (創元推理文庫)




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堂場瞬一『見えざる貌 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』 [書評]

堂場瞬一の『見えざる貌 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』を読みました。
新人刑事の成長を描くシリーズの二作目です。

皇居周辺ジョギングをする女性が立て続けに襲われる。被害者にランナーである以外の共通点はなく、通り魔的な犯行と考えられた。警察が警戒する中、第三の事件が発生。女性タレント・春木杏奈が襲撃され、一之瀬は杏奈の警護にあたることとなる。その直後、杏奈とおなじランニングウェアを着た女性が襲われ、ついに殺人事件に発展する。

ポイントは犯人逮捕した後のほうだろう。もともとの犯行の原因となった事態にタレント・春木の特異な性格が関係していると考えた一之瀬だったが・・・。

一之瀬の同期の半蔵門署刑事課・若杉と野関係など、一歩一歩階段をのぼっていく拓真が丁寧に描かれています。


見えざる貌 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)

見えざる貌 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)




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堂場瞬一『ルーキー - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』 [書評]

堂場瞬一の『ルーキー - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』を読みました。この著者には『刑事・鳴沢了シリーズ』もあるが、それとは違って、こちらは新人刑事が主人公。したがって、ミステリーという側面よりも、新人の生長物語という側面が強いかもしれない。

一之瀬拓真、二十五歳。交番勤務から千代田署刑事課強行犯係に転属した新人刑事。管轄はビジネス街――このエリアは窃盗犯中心だと聞いたが、初日から殺人事件が起きる! 被害者に恨みをもつ人物はなかったが、不審な入金が発覚し、捜査陣は色めきたつ。一之瀬は教育係の藤島の薫陶の下、第一歩を踏み出すが、やがてある新興のIT企業傘下の会社の粉飾決算との関係が浮かび上がってくる。

一之瀬拓真もまた、組織の人間として、この事件に向き合うのだが、その過程で暴力団の男や新聞記者などとの関係で、学んでいく。『刑事・鳴沢了シリーズ』ほど泣けないと思うが、まぁ、このシリーズはしばらく続けて読んで見ようかと思います。


ルーキー - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)

ルーキー - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)




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M・J・カーター『紳士と猟犬』 [書評]

M・J・カーターの『紳士と猟犬』を読みました。舞台は、1837年、まだ東インド会社が支配するインド。ほとんどミステリーらしいことは発生しないのだが、いかんせん、インドと言う舞台設定だけで読ませる。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞&英国推理作家協会賞新人賞W受賞の歴史ミステリです。

上官に呼び出された軍人エイブリーは、奥地で姿を消した詩人の行方を捜すよう命じられる。この任務に同行するのは“ブラッドハウンド”と呼ばれる謎の男ジェレマイア・ブレイク。反りが合わないながらも旅に出たふたりを大いなる陰謀と冒険が待ち受ける!、といっても、でてくるのはインドの暗殺者集団(?)サグと東インド会社をめぐる陰謀である。

主人公エイブイリーの最後の判断も中途半端と言う印象がぬぐえない。一軍人としては仕方がないか。
今日的な立場からみれば、東インド会社というインドの植民地統治機関へと変貌していく組織のありようを認めたくはないが、やがて発生するインド大反乱へとつながっていくお話だ。じつは、本書には続編もありそうなのだが、インドの風物への関心だけで読ませるのはつらいと思うなぁ。


紳士と猟犬(ハヤカワ・ミステリ文庫)

紳士と猟犬(ハヤカワ・ミステリ文庫)




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谷治宇『さなとりょう』 [書評]

谷治宇(たにはるたか)の『さなとりょう』を読みました。このタイトルだけでは分かりにくですが、りょうとは、坂本龍馬の妻のおりょうさんのことで、さなとは北辰一刀流桶町千葉道場主・千葉定吉の二女の佐奈のことで、龍馬の許嫁であったという。頃は明治六年、二人が協力して、龍馬暗殺の真相に迫るというお話です。
なかなか面白い作品に仕上がっていますが、タイトルに二人の名前がありますが、主人公あくまで佐奈さんでしょうね。もう少しりょうさんが描けていればよかったと思いますね。

物語の冒頭のつかみ、佐奈が旧幕臣の無頼の徒をいとも簡単に懲らしめ、千葉の鬼小町と呼ばれた片鱗を見せつける入りは大変うまいです。

ただ、龍馬暗殺の理由というのは、その背後には西郷や勝がいたというのは、少し説得力にかけるような気がしますが、最後のシーンは印象的です。


さなとりょう

さなとりょう




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