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DAT無き時代の生録はメモリカードに録音? [DTM]

 DATレコーダーの生産をソニーが中止すると言うことは、昨年このブログでもお伝えした。CD以上のクオリティを録音できるポータブル機は、長い間このDATしかなかったのだが、その灯も消えようとしている。

 世はBlu-rayだのHD DVDだのと沸き返っているが生録のテクノロジーはもう十数年、時代に取り残されてきた。

 だが、ここ一年ちょっとでCDの規格である16bit44100Hzを超えるクオリティで録音できるポータブル機が出てきた。それはRoland R1だったりM-AUDIO MicroTrack2496だったりSony PCM-D1といった機器だ。これらの機器の特徴はいずれもコンパクトフラッシュや内蔵されているフラッシュメモリーに音声を記録すると言うことだ。従って、DATのようにテープがなく録音の際に歪んだり巻き戻しに時間がかかったりすることがない。当然パソコンに一瞬で転送して音声を編集することも可能だ。それでいて24bit48000Hz以上というDATをも凌ぐ高音質で録音することが出来るのだ。SonyのPCM-D1は20万円近くもする機器だが、RolandやM-AUDIOのものはいずれも3万円から4万円程度で購入できる。

 またRolandは、今年の4月にSDメモリカードに音声が記録が出来るR-09という機器も発売する。単三乾電池2本で4時間程度の連続録音が出来る上、ローノイズなステレオマイクを内蔵している。もちろんプラグインパワーに対応する外部マイクも使用可能だ。前機種のR1は若干野暮ったい感じだったが、こんかいはデザイン的にもなかなかよい仕上がりになっていると思う。

R09.jpg

 音を高品位に記録し残すという文化は、個人的に支持したい。近年のポータブルオーディオ機器は手軽さばかりが追求され、肝心の音質については二義的になっていたように思う。それが時代の要請だとすれば仕方がないが悲しいことだと思う。音楽を趣味でやっている関係で、実際に生録する機会は多い。是非、購入を検討しようと思う。


ヘッドホンのケーブルを買うのに一苦労 [DTM]

 今メインで使っているヘッドホンが二つある。そのうちのAKGの240Sの片耳が完全に断線してしまった。もう一つのメインもけっこう危なそうなのだがだましだまし使っている状況だ。で、断線したヘッドホンを使っていても全く意味がないので、ケーブルを買い換えることにした。ある程度の価格帯のヘッドホンは、ケーブル部分だけの購入ができるのだ。240S用のケーブルはネットで注文できるのは知っているのだが、たかだか1500円のケーブルに送料を払うのも馬鹿馬鹿しいし、店頭で即購入できる場所を把握しておきたかったので、お茶の水と秋葉原のオーディオショップ家電量販店を回ってみた。

 結果、惨敗である。AKGのヘッドホンケーブルは全てメーカーから取り寄せなのだそうだ。なんとまあ面倒なことだが、仕方がないので秋葉原のダイナミック5555で取り寄せて貰うことにした。ここは都内でも有数のヘッドホンやヘッドホンアンプの専門店だ。最近はiPodなどのポータブルオーディオ効果もあり、多くの家電量販店でもヘッドホン売り場は充実しているが、視聴に使っているアンプやCDプレイヤーがだめだったり、断線してたり音量が極端にでかいのに店員をいちいち呼ばないと変更できなかったりと、真面目に売る気がないとしか思えない店ばかりだ。その点、ここはオーディオ専門店なのでそんなことはない。オーディオ専門店と肉の万世の鉄則として上の階へ行くほど敷居が高くなり、見えない身の程の壁に当たってしまうのだが、幸いにしてヘッドホン売り場は1Fにあるので、私のような小心者&オーディオ初心者でも入ることが出来る。

 一昨年はケーブルを交換するAKGの240Sを購入し、去年は音楽再生用にとゼンハイザーのHD580と防寒用(笑)ソニーのMDR-XD100を購入したが、考えてみたら今年は新しいヘッドホンを購入するどころが、情報収集すらしていないことに気付いた。年末は仕事用具の購入に加え、冠婚葬祭やら飲み会やらでかなり出費がかさんでいるので今年はあきらめるが、来年あたりはヘッドホンアンプを購入したいとぼんやり考えている。その前に、早くケーブルを入手できると良いのだが。

AKG スタジオ・モニター K240S

AKG スタジオ・モニター K240S

  • 出版社/メーカー: AKG
  • 発売日: 2002/06/10
  • メディア: エレクトロニクス


Creative Professional E-MU 1616M発表 [DTM]

 Creative Professional E-MU 1616M / Emulator Xバンドルが発表された。実売価格は4万円台後半。

 Creative Professional E-MU 1616M / Emulator Xバンドル

 ノートPC用のオーディオインターフェースのセットで接続はType2のPCカード型で行う。このPCカード自体がオーディオプロセッサを内蔵しており、24bit/192kHz入力までサポートする。また専用のブレイクアウトボックス「MicroDockM」が同梱されており、このボックスには多数のオーディオ入出力が備わっている。具体的にはD/A、A/Dコンバーター、ソフトリミッターを内蔵したマイクプリアンプ2系統、24bit/192kHz対応のADAT光デジタル入出力、24bit/96kHz対応の同軸デジタル入出力、MIDI入出力2系統である。特筆すべきはこの価格帯、しかもPCカード接続でありながらADAT光入出力端子を備えていることだろう。ADAT端子はPCI接続やUSB接続のオーディオインターフェースですらミドルエンド以上のモデルでなければ目にすることは出来ない。この製品はADATに対応していることもあり16IN/16OUTの入出力を扱うことが出来る。

 最初に述べたとおり、PCカード自体にオーディオプロセッサ、すなわちDSPを備えているため、エフェクトやオーディオ入出力の際にPCのCPU占有率を減らすことができる。またASIO、WDMはもちろんのことDirectSoundにも対応しているので、音楽製作だけに限らずオーディオ視聴やゲームなどにも利用できるだろう。このMicroDockMのヘッドホン出力にはマランツのSACD/DVDオーディオプレイヤーの上位機種にも使用されているシーラスロジックのD/Aコンバーター「CS4398」が使われている。オーディオの性能はアナログ回路も重要なので一概には言えないが、かなりの潜在能力を持っていることがヘッドホン端子だけとっても分かる。

 ソフトウェアがこれまた豪華だ。ソフトウェアだけで価格を超えているのではないかと毎度思うのだが、2GB以上のライブラリが付属したソフトサンプラーE-MU Emulator X、1000以上のサンプルを備えたProteus X LE VSTi、シーケンスソフトにSteinberg Cubase LE(日本語版)とCakeWalk SONAR LE(英語版)、ループシーケンサにAbelton Live Lite 4.0 for E-MU (日本語版)、波形編集ソフトにSteinberg WaveLab Lite (日本語版)、プラグインエフェクトにIK Multimedia AmpliTube LE (英語版)、IK Multimedia T-RackS EQ (英語版、)SFX Machine LT (英語版)、DVDオーディオオーサリングにdiscWelder BRONZE (英語版)等が付属する。いずれもLEやLTなど機能限定を示すバージョンになっているが、実用上かなり十分な機能が揃っていると言って良い。少なくともこれからDTMを始めようと思っているユーザーには必要十分だ。

 またこれとは別に、従来から既にCreative Professional E-MU 1820M、1820、1212M、0404デジタルオーディオシステム、Emulator X Studio、Emulator Xデスクトップサンプリングシステム、Proteus Xデスクトップサウンドモジュール使用しているユーザーは、2500円(税別)(E-MU 0404とProteus Xユーザーは2300円(税別))でバンドルソフトのアップグレードサービスが利用できる。アップグレードサービスには、「SONAR LE」、「Cubase LE」、「Live Lite 4.0 for E-MU」、「WaveLab Lite」、「AmpliTube LE」、「T-RackS EQ」、「diskWelder BRONZE」、「Machine LT 」、「Proteus X LE」の各ソフトが付属する(ただしE-MU 0404とProteus Xユーザーは「diskWelder BRONZEが(5回のトライアル版)」で「T-RackS EQ」は付属しない)。ユーザーならば是非申し込んでおきたいサービスだ。


2005楽器フェアに行ってきた(その2) [DTM]

 楽器フェアレポートの前編はこちら

 前回はヤマハ、コルグ、ローランドの出品物について紹介したが、今回はその他の個人的に気になった商品について紹介する。

 ■BRASS (物理モデルソフトウェアシンセ)

 BRASSはアイデックスが販売するソフトウェア物理モデルシンセである。一般的なPCMシンセは元にある波形をサンプリングして、そのサンプリング音をベースとして音を出す。音色を編集する際は、その元となるサンプリング音を相対的にフィルターなどをかけて行う。物理モデルシンセは楽器の形状と材質そのものをシミュレートして、音を出す。当然PCMシンセよりも高度な演算が必要であるため、同時発音数もかなり限られていたしハードウェアのシンセの一部に搭載されているだけだったが、今回VST、DXi、HTDM、RTAS、Audio Units等の各フォーマットに対応したソフトウェアシンセとして発売されるらしい。確かにフォールやリフ、グリッサンドの音は従来のPCMシンセではだしえないリアルさである。ただ、それ以外の通常の伸ばしの音等は、エディットでどうとでもなるのかもしれないが、デモを聴いた限りは今ひとつという印象だ。選べる楽器もトランペットとサックス、トロンボーンしかない。ウインドコントローラーを愛用する人には良いかもしれないが、現時点ではメインとして使えるレベルには達していないと感じた。せめてGM1の楽器くらいには全て対応して欲しい。

 ■e-Sax (サックス用消音器)

 サックス用の消音器である。最初遠くからデモを見たときは、サックス音が鳴る電子楽器かと思った。だがマイク越しの音色はあまりにもリアルだし、マウスピース部分はどう見てもサックスだったので、よく見てみるとサックス用の消音器だった。金管楽器で言うミュートである。形状はリンクを見ていただくのが一番だが、楽器そのものを全体的に覆うケースの様な形状をしている。いやサックスのケースだと言ってもよいくらいだ。消音性能は25dBだそうだ。サックスの音は木管楽器の中でも大きく、下手な金管楽器並であるが、強めに吹いても人が小声でしゃべっているくらいの音量にしか聞こえなくなる。展示会の会場は比較的うるさい場所だったので、耳をそばだてないと実際に吹いているのか分からないほどだった。e-Saxの内部にはピックアップマイクが内蔵されており、ミュートされた音はヘッドホンで聴くことができる。また、AUX INとLINE OUTもついているのでMD等と接続してマイナスワン的な使い方も出来るし、外部の録音機器に音を録音したりも出来る。ヘッドホンの音にはリバーブを付けることも可能だ。サックス以外の楽器に対応する予定は無いか、と質問したら木管楽器に関してはこれから頑張っていきたいとのこと。金管楽器に関してはヤマハのサイレントブラスがあるので、とお茶を濁されてしまった。確かに単なる消音器としてサイレントブラスは優秀だが、それでもやはり吹奏感は損なわれるし、トランペットやトロンボーンのミュートやホルンのゲシュトップ奏法は当然出来ない。是非とも管楽器全てに対応して欲しいと言っておいた。

 ■DT 880 (ヘッドホン)

 セミオープン型のヘッドホンである。今AKGとゼンハイザーのヘッドホンを使っている。AKGは主として音楽作成のモニタ時、ゼンハイザーは主としてDVD鑑賞や音楽鑑賞時と使い分けている。音質に関する評はそれぞれあると思うが、AKGのヘッドホンは音の分離感と定位感がよく、耳コピなどもしやすい。ゼンハイザーは音、というより音楽を聴くのにとにかく気持ちよく聴かせてくれると感じる。今回、このDT 880というヘッドホンで初めて視聴して驚いた。とても品があり、といっても優しすぎずとにかく欠点らしいものが見つからなかった。ゼンハイザーのHD600を聴いたときには衝撃を受けたが、STAXは別格としてそれ以来の衝撃だった。ベイヤーというメーカーは国内ではあまりなじみが無く、かく言う私も名前くらいは知っているという程度だった。海外モデルにありがちな装着勘の悪さも感じない。実売価格は3万円以上と、ハイエンドに分類される価格帯ではあるが、ゼンハイザーのHD650やオーディオテクニカのハイエンドモデルと比較すると非常にコストパフォーマンスが高いと思える。聴いた音楽は2種類だけだったが、どんなジャンルでもこなすオールラウンダーという雰囲気がある。デザインも個人的には好みだ。個人的にはゼンハイザーのHD580よりもこちらをお勧めしたいくらいの評価だ。


2005楽器フェアへ行ってきた [DTM]

 仕事の一環と無理矢理理由付けをして、2時間半くらいの時間であったがパシフィコ横浜で開催されている「2005楽器フェア」へ行ってきた。以前は池袋で行われていたような気がしたが、いつの間にか横浜が定着しているようである。

 管楽器もDTMも両方趣味の私にとっては、お祭りのようなイベントであるが、国内外とわず数十社の企業が出展する。ギターやベース、ドラムはもちろんのことDTM系の楽器やDJ・PA機材、管楽器、弦楽器、楽器アクセサリーや防音室など、出展内容も充実している。また期間中は各企業ブースや特設ステージなど至る所で商品デモやライブが行われているので、出典品に興味がない人でも、音楽を聞き回るだけでも十分楽しめる展示会になっている。

 私はと言うと、楽器や機材に関しては興味の幅が広いので時間内フルに楽しめた。個人的に気になった企業・出典物をいくつか紹介しよう。

 ■KORG

 まずは超弩級のワークステーションシンセOASYS。なんと10.4型というカーナビもびっくりの大画面液晶を搭載しており、タッチパネル式でメニューの呼び出しやサンプルのエディット、など全ての機能を操作・編集することができる。コルグのシンセというと昔からタッチパネル式の液晶は搭載していたが、あの独特のもたつきに悩まされた人も多いのではないだろうか。だがOASYS搭載の液晶は視認性も操作性も段違いに良くなっている。いわゆる操作のもたつきは皆無だ。500MBという段違いの容量をもつPCMシンセと物理モデル音源を扱うことが出来、最大同時16系統のエフェクトを使用できる。シーケンス機能やサンプラー昨日も搭載し40GBのハードディスクを内蔵する。CD-RWドライブも内蔵しているので、サンプリングCDの音素材をダイレクトに取り込める上、作成した楽曲を即、音楽CDにできる。とにかく近年の様々な会社から出ている全てのPCMシンセの最高峰と言ってもよいモデルだ。もちろん価格も最高峰で、88鍵モデルが定価882000円、76鍵モデルが定価840000万円となっている。

 まあ上記のモデルは注目はすれど到底購入できるものではないので、もうひとつTRというシンセも注目だ。TRという名前にピント来た方は、ちょっとしたKORG通だろう。かつて名器として名をはせ、今も愛好者がいるtrinityのラック版がTR-Rackだ。今回出展していたTRは61鍵と76鍵のPCMシンセだが、その潮流を受け継いでいる雰囲気を持っている。価格は定価ベースで61鍵モデルが99750円とかなり戦略的な価格になっている。KORGはX5Dという、超入門向けシンセを販売しているがそこからのステップアップにはぴったりといえる。音質に関しては「入門モデル」の域を出ないが、ことピアノ系音色に関してはなかなかのものが揃っていると思う。なにより76鍵モデルで9.2kgという軽さは魅力的だ。データの管理はちょっと変わっていてSDメモリカードで行うことが出来る。接続は最近のシンセらしくUSBで行える。拡張ボードを追加すればサンプラーとしての機能を持たせることも出来るので、メインシンセとしては最低限以上の働きができるのではないだろうか。

 ■YAMAHA

 いぜんから気になっていたがやっぱり気になる防音室。展示物は一室だけだったが説明を聞いてカタログをもらったら余計に欲しくなってしまった。防音室と言っても無機質なものではなく、随分ラインナップも増えて木目調のものや、高級家具の材質のような外観を持ったものまで登場している。もちろんヤマハが出しているので楽器練習用に購入する人も多いが、書斎の中に置く人や、ホームシアター用、あるいは仕事部屋として使う人もいるのだとか。設置にはボックスタイプなら一、二時間から半日程度で済むのだとか。月額13230円からレンタルできるサービスもあるとのこと。遮音性能や広さ、材質は細かく選べるようになっているが、一番遮音性能が低いタイプでもfのピアノの音が人の声くらいにはなる。書斎や仕事部屋として使用するには十二分な性能だし、マンションでなければ管楽器を遠慮無く吹けるくらいだ。ヤマハの防音室は大きなヤマハ楽器店にいけば一室くらいは設置してあるので、楽器演奏者だけでなくちょっと集中して作業ができる小部屋が欲しいなどと思っている人も是非検討して欲しい商品だ。展示店はここから検索できる。

 ■Roland

 MIDIキーボードもシーケンスソフトもRolandのものを使っているのでチェック。注目は毎年一太郎のようにバージョンアップするようになったシーケンスソフト、SONAR5。今回の目玉はオーディオデータのフォルマントデータを損なわずピッチシフトができるV-Vocal機能。RolandはVariosという同等の機能を持ったシンセを販売しているが、ついにソフトウェア化されたというわけだ。これがあると、大きく音程を外して歌っている歌の音程を補正したり、コーラスも従来のピッチシフト機能のように不自然なものではない音質で5度上とかオクターブなどで作り出すことが出来る。エフェクトやソフトシンセの類も更に充実している。そろそろSONAR2からアップグレードするべきだろうかと思い始めている。

 他にも魅力的な新製品はあるが、今日は長くなったのでここまで。気が向いたら明日も紹介する。


Proteus Xを使い始めた [DTM]

 今日はDTMの話。

 今年の初めに購入して以来、全く使っていなかったProteus Xを使い始めた。

 Proteus X

Professional E-MU Proteus X

Professional E-MU Proteus X

  • 出版社/メーカー: クリエイティブ・メディア
  • 発売日: 2004/12/17
  • メディア: エレクトロニクス

 Proteus XはクリエイティブメディアがE-MUブランドで発売している「ソフトサンプラー」と「オーディオカード(サウンドカード)」のセットだ。クリエイティブメディアといえばサウンドブラスターというサウンドカードが有名だが、こちらはゲームユーザーやMP3等の音楽を聴く人をターゲットにしている。E-MUは古くは数百万もするサンプラーを発売するなどプロ用機材の老舗メーカーだったが、10年ちょっと前にクリエイティブメディアの傘下となっている。その後もE-MUはProteusシリーズなどの音源モジュールを発売していたが、ここ数年動きが止まっていた。それが去年、クリエイティブメディアはCreative Professionalというブランドを立ち上げ、その製品群にE-MUの製品を投入する用になった。Proteus Xはその製品の一つというわけである。

 Proteus XはE-MUが99年の1月に発売した音源モジュール「Proteus 2000」の音色、1024音色が全てソフトサンプラーの音源として収められており、その上にGM対応の音や高品位なピアノやドラムの音が合計2GB分収められている。発売から6年以上が経っているとはいえ発売当時10万円以上したシンセがソフトサンプラーの音源として全て収められているというのは驚きだ。十分現役として使っているユーザーも多いだろう。Proteus Xはそうしたソフトサンプラーに加え「E-MU0404」という4系統の入出力を備えたオーディオインターフェイスがセットになっている。このオーディオインターフェースはPCI接続で、今のトレンドである24bit/96kHzに対応している。またシーケンスソフトとしてはSteinberg CubasisのVST 4.0や波形編集ソフトのWaveLab Lite 2.5が付属する。最近のDAWソフトに比べるとむろん非力ではあるが、DTMの初心者には十分な機能だろう。もちろんソフトウェアは日本語化されている。

 そして驚くべきなのが、値段だ。前述の通り発売から時間が経っているとはいえ、Proteus 2000の音源部だけでも数万円の価値はある。追加されたピアノやドラムの音だけでも数千円から一万数千円の価値があるだろう。CubasisのVST 4.0だって発売当時は数千円で購入できるようなものではなかった。当然オーディオインターフェースもサウンドブラスターのようなゲーマー向け機能はないものの、純粋なオーディオインターフェースとしての機能を考えるとやはり1万円~2万円程度のクラスのものだ。しかしこのProteus Xの価格は直販価格で17640円だ。下手をすれば0を一つ増やしてもおかしくない価格設定だ(流石に176400円は高すぎだが76400円であればおかしくないだろう)。発表当時、あまりの安さが理由でスルーしてしまったほどだ。DTMを本格的にやっている人ならばおわかり頂けるだろうが、こうした機材やソフトは本当に高いというのが常識だからである。だが、実際に店頭でデモを見て聴いて驚いた。本当にProteus 2000が丸々入った上にプラスアルファの機能が付いていたのである。

 入っている音は様々なジャンルに分けられており、呼び出しも簡単だ。エディット項目はさすがプロ用シンセがベースだけにいわゆるGSやXGなどの音源モジュールのレベルを上回る。むろんエディットしなくても使いやすい音がそろっているなと言う印象だ。WindowsXP以降のPCで512MB以上のメモリを搭載していればそれなりに使えるのではないかと思う。むろんメモリに関しては多ければ多いほど良いだろう。ちなみに私は2GBのメモリを搭載したマシンを使っているが、2、30種類の音ネタを読み込んで同時に100音程度がなる曲を再生してみたが遅れなどは感じられなかった。

 長らくMUシリーズやSCシリーズを使っていた人が、手始めにソフトシンセに移りたいという人、今まで着メロっぽいものは作っていたけど本格的に打ち込みを始めてみたいという人、あるいは現在ソフトサンプラー等を使っていて素材を増やしたいという人まで全て満たしてくれるだろう。追加で入っていたドラムやピアノは本当に高品質だ。ことピアノ音に関して言えば、ローランドのXVシリーズなどとそれほど遜色のない出来と言ってよいだろう。嬉しいのが10種類を超えるサウンドライブラリーで更に音色を追加できるという点だ。現時点ではまだ試していないがデモ音を聞く限り、近い将来導入したいライブラリーがいくつか見つかった。そのライブラリーもクリエイティブメディアのオンラインショップで数千円から購入できる。

 それにしてもこれほどの音ネタが、サウンドカードの普及機一枚分の値段で購入できるとは驚きだ。

 残念ながら公式ページにサウンドのデモがないが、検索をかければいくつか聴くことができるだろう。私もそのうちここで音をすこし流してみる予定だ。

 


DTM遍歴と今後の展望 [DTM]

 元々私がPCを購入したのは、PCで音楽を作りたいからだった。もちろん購入したときはいろいろと他にも理由付けをした気はするが、メインはDTM(デスクトップミュージック)、つまりPCベースで音楽を作成することである。

 最初に触ったソフトは友人が持っていたMusicatorである。なにしろWindows95以前の時代の産物である。残念ながら日本での代理店もないし当然ローカライズされていないが、いまでも本国では新バージョンが販売されている。実は今もし国内で買えるのならば導入してもよいくらいにノーテーション入力が優れていた。今もそれは引き継がれているのだろうか。

 私が最初に購入したPCはNECのPC-9821である。Ct20という型番でCanBeシリーズの最後となってしまったモデルだ。今、ここで記憶を掘り起こしてCanBeという名前にたどり着いて懐かしさが込み上げてきた。

 当時、Windows95が全盛期だったパソコンは、音が鳴るだけでも凄いことだった。いや、事実である。わたしが購入したモデルには予めFM音源ボードが内蔵されていたが、そうでないモデルは、いちいちCバスという拡張ボード接続の音源ボードを一万円だか二万円だかを支払って増設しなければならなかった。私が購入したCt20は当時の流行語にもなった「マルチメディア」パソコンで、98シリーズとしては初めてTVチューナーとCD-Rドライブが内蔵されていた。当時2倍速書き込みのCD-R(注意CD-RWではない)ドライブは定価で12万円もしていた。そして書き込むためのメディアも今のようにコンビニで買えるはずもなく、量販店で一枚千円ほどもしていたのだ。

 随分話がそれてしまった。

 PCを購入した後、未だに中古市場やオークションなどでそこそこの値段で取引されているローランドのSC-88Proを購入した。付属していたソフトは現在国内でもメジャーといえるcakewalk。それから随分長い時間、このセットでDTMにはまりこんだ。

 転機が訪れ始めたのはWindows XPが出始めた当たりからである。それ以前のDTMはどちらかというと趣味の領域であり、PCだけで音楽を完成させるといういわゆるDAW的な要素はなかった。ところがこの頃からソフトウェアシンセが現実的に使えるようになってきていた。それまでたとえばシンセサイザーといえば、あの鍵盤がついているハード型のものだったが、PCのソフト上でそのハードシンセの音をシミュレートし出力するということが可能になった。

 簡単に言うとピアノのソフトを購入してきて、しかるべきソフトの上で慣らすちゃんと生のようなピアノの音が鳴ってくれるわけである。もちろん出始めの頃は容量も少なく、ピアノなのか琴の音なのか判別に苦しむものがあったのは事実だが、それは年々改善されていった。

 ためしにこれを聞いていただきたい。(←MP3ファイル約3MB)

 有名なホルストの惑星から「火星」の一部だが、この曲の中にはパソコン上で作った音が入っているのだが、それがどれだか判別できるだろうか。

 答えは、全部、である。上記のファイルから流れてくる音は全て、パソコン上で打ち込みで作られたものだ。つまりだれも演奏していない。演奏のためのプログラムを組んであるだけだ。

 打ち込みの中でもっとも難しいといわれる管楽器ですら、もはや生の音と聞き分けが付かなくなっているのがお分かり頂けるであろうか。

 現在ではプロミュージシャンの多くがPCベースで音楽を作るようになっているという。音の元ネタは生演奏にしても、それを加工しCDにプレスするまでのマスタリング作業はほぼ間違いなくPCが活躍している。

 今、音楽の聴き方が過渡期に来ているのはこのBlogを見に来ている人ならばおわかり頂けるだろうが、これからはネットで音楽を購入したりPCを介して聴くことが主流になっていくことは間違いないだろう。そういう意味においてもPCで音楽を作成することは相性がよい。

 とまあ理屈をいろいろこねるよりも、曲を作ったりすることは楽しい。

 今はパソコンで音楽を作るということはとても敷居が低くなっている。例えば自分の携帯電話の着信メロディを自作するのだって立派なDTMだ。いずれ機会があれば有料無料問わずそういったソフトも紹介したいと思う。


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