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言峰桜のばあい [ネタ等]

その昔、どっかに出したFate嘘予告ネタを発掘。少々書き足して掲載。

今となっては、ホロウのキャラと設定性格共にモロにかぶるので、今更ちゃんと書く話には出来ねえネタですなぁ。

 

 


「――間桐家に、養女に出そうと思っている」
「桜を、ですか? 何故また、間桐に」
「あちらから、打診があってな。どのみち、魔術師の家に二子は禁忌だ。いずれ凛が修行を始めるころには、桜はこの家には置いておけない」
「しかし、間桐家は――」
「魔術の修行がつらいのは、いずこでも同じことだ。この家に置いておく方が、あれには余程不幸なことになる」
「では……よろしければ、私に預けてみるというのはいかがです」
「君に? 桜をか」
「ええ」
「どういった風の吹き回しだね。君はたしか、一度」
「なに。私も、後継者を育ててみたくなった。そんな、ちょっとした気まぐれですよ」

 それは、ひとつの可能性の物語。
 ありえるありえないは別にして。

 

   言峰桜のばあい

 

「……なんで、当たり前のように君がうちに遊びに来ているんだ言峰」
「これは心外な。子供たちが仲良くしている以上、その親同士が親交を結ぶのは当然のことだろう」
「うちの士郎に桜ちゃんを引き合わせたの、君じゃないか?」
「お前が何を言っているのかわからないな、切嗣」
「……僕は、君と親戚になるなんて嫌なんだが」
「それは私も心底嫌だが、しかしお前に嫌がってもらえるならば多少のことには目を瞑る用意はある」
「……」
 そのとき、彼らのいる部屋の前の縁側を、軽いが慌ただしい二つの足音が駆け抜けていく。
「あん、まって士郎ちゃん……じゃなくてあなたー!」
「やめろって!なんでおままごとで服を脱がすんだよさくらーっ!」
「だって、それがフウフの一番大事なおしごとでしょー?」
「ウソだーっ!」
 泣き声まじりの叫びと、小学生にしては艶の入り過ぎた声が行き過ぎてゆくのを、それぞれの表情で見守る大人二人。
「……言峰」
「なんだ」
「うちの士郎は、絶対に渡さないからな」
「そういったことは、当人同士の問題だからな」
 士郎のいれたものである茶を、二人は同時に手にとって、同時に一息に飲み干した。


 衛宮家と言峰の教会はそれなりに離れているので、実は校区が異なる。小学校も、そして後に入ることになる中学校も、本来は別々の学校になるはずであったのだが、言峰は地区の教育委員会に強引にねじこんで桜を士郎と同じ学校に通わせていた。
 桜も、遠い距離にめげることなく、それどころか遠回りを承知で家まで士郎を迎えに行ったりして、一緒に同じ学校に通い続けた。
 顔は可愛く、内面はともかく外面も良く、小学校高学年時点にしてすでに胸もCカップであった桜はおおよその女子に嫌われる反面、男子の隠れ人気は絶大なものがあった。
 結果、彼女と必要以上に仲良くしているようにみられる士郎は、級友たちに「夫婦、夫婦ー!」などとからかわれる不幸を得ることになる。なにしろ毎日一緒に登下校しているどころか、学年も違うのにお昼休みの度に士郎を遊びに誘いにくるのだから、彼らの言い分も根拠のないものではない。お年頃もあって、そのたびに士郎は「ちがわいー!」と激昂するのであるが、桜の方はむしろそれを聞くたびに、陶然とした表情でほほ笑むのである。


「お父さん、士郎ちゃんね、魔術師になりたいんだって。でもキリツグおじさまはケチで教えてくれないって言うから、わたしが教えてあげることにしたの」
「ハハハ、そうか。桜はいい子だな」
 もちろん、切継としては息子のことを考えて魔術の教授を為さなかったのだろう。魔術師の一生とは、すなわち研究と苦痛と、不道徳の連続だ。
 それが切嗣の知らないところで、衛宮の名を継ぐ者でありながら言峰綺礼の系統に染まる。言峰にとっては、実に愉快極まりない状況だ。
「桜は、士郎君が好きかな」
「うん、大好きよ」
「そうか、ならば手段を選ばず手に入れるがいい。愛があれば、神は全てを許容されるだろう」
「うん、大丈夫よ。士郎ちゃんには、こっそり気配が薄くなる魔術をかけているもの。おかげで恋人はもちろん、士郎ちゃんお友達も少ないの」
「はっはっは。さすが我が娘だな。だが、士郎君に魅了をかける方がてっとり早くはないか」
「それはだめ」
「ふむ、何故だ?」
「士郎ちゃんには、ちゃんとわたしのことを好きになってほしいもの」
「はっはっは、なるほど。網を持って追い回すのではなく、あくまで餌にかかった魚を釣り上げるのが釣りの醍醐味であるということだな」
 こうした父娘の微笑ましい会話の上に、桜の常識観念は実に魔術師らしく、どんどん斜め上にすっ飛んでいくのであった。


 そんな桜でも、切嗣が亡くなったときにはさすがに悲しかった。
 切嗣は基本的には桜にも優しかったし、なにより切嗣を失った士郎が可哀想で、それが悲しくて泣いた。
 切嗣のことを好きだったのだろう、大河もわんわん泣いていたし、何より彼のことが嫌いだと思っていた桜の義父もまた、葬儀中ずっと怒ったような顔をして、とぼけた笑顔を見せる壇上の写真を睨んでいた。
 けれど、士郎は泣いていなかった。
 かといって、暗くふさぎこむでもなく、思い詰めている様子もない。
 まっすぐ顔を上げて、切嗣の写真を見上げている。それは少年ながら、何かを決意したような、目的を得た男の顔だったのだと思う。


 やがて二人は中学生になり、「士郎ちゃん」は「先輩」になる。
 中学を卒業した桜は、当然のように士郎と同じ高校を選ぶ。士郎の進学先が決定した時点で、桜の行く先も決まったようなものだった。一年の遅れを堪え切れぬかのように、桜は穂群原一校のみを受験して、そして危うげなく合格した。
 幼なじみであり、魔術の師弟である二人は、しかし未だに恋人未満のままだった。それは主に士郎の朴念仁のせいではあるが、二人の距離が近すぎたことも理由の一つではあった。


「そこで」
 義父とギルガメッシュに食事をよそいつつ、桜は宣言する。
「今回の聖杯戦争、わたしも参加しようと思います、父さん」
 食事前に、言峰と桜は一応手を合わせて神に祈るが、空気を読まない男ギルガメッシュは構わず食べだす。仕方がない、宗教が違うのだ。ギルガメッシュの我教、現在宗徒一名(本人)。在位中はもう少しいたのだが。
「はっ、我の力をあてにしているというならお門違いだな桜。しかし、まあ他ならぬ貴様の頼みだ。額をつき靴を舐めて哀願するというのなら考えんでも」
「すでにサーヴァント召喚の術は習得しました。触媒はありませんが、喚ぶだけならすぐにでも可能です」
「……」
 軽くスルーされる、ギルガメッシュ。
「ほう、よく決心したな桜。確かに、お前ももう一人前の魔術師だ。聖杯を争う権利はある」
 スープを啜りつつ、会心の笑みを浮かべる言峰。
「しかし、それが士郎君とのことに何の関係があるのかな」
「わかりませんか父さん。つまり、こういうことです」

聖杯戦争
 ↓
先輩、巻き込まれる(というか、巻き込む)
 ↓
聖杯戦争のことなど何も知らない先輩、右往左往。
 ↓
すでに聖杯戦争について知識もあり、魔術にも詳しいわたし、先輩を守り優しく導く
 ↓
「なんて頼りになるんだ、桜!やっぱり俺にはお前が必要だ!」
 
「……とまあ、こんな感じで」
「フフフ、なるほど……見事だ。順調にハラグロく育ったな桜。父は嬉しいぞ」
「うふふふ。ええ、クソオヤジ様の教育の賜物で」
「……なんなのだ、貴様らは」
 道徳を超越したギルガメッシュでさえも、呆れたくなる親子の会話。
 これでいてこの父娘は、それなりに仲は悪くないのである。
「だいたい、そんなに都合よくいくものか。浅薄な」
「うるさいですよ、ギル兄さん。またお食事にゴキブリ入れちゃうから」
 桜が入れると言ったら、本当に入れる。しかも大皿のおかずに入れる。あまつさえ、自分だけは衛宮家で食事を済ませてくるという周到ぶりである。
「ふん、舐めるなよ小娘が。王に、好き嫌いなどないわ!」
 自身満々に応えるギルガメッシュに、桜はむ、と唇を歪める。ギル兄さんのくせに、生意気なことを言う。いや、ギル兄さんは元々、生意気と尊大を一晩煮込んでウッカリのスパイスを入れすぎたような性格の持ち主であるけれど。
 でも、初めてお仕置きの料理を出したときには、愉快痛快な叫びをあげたくせに。あえて無理矢理文字表記するとするなら、「いやっはうほわぁおろくらっさあー!」という感じ。
 さらにその後椅子ごと頭から倒れた上、痛みにごろごろ転がった末タンスにぶつかって、倒れたタンスの下敷きになるという見事な三段オチを見せてくれたのに。
 その上で今のこの自信。どうやらこの男、前回の失態を恥じて何かしらの特訓を積んだ様子。サーヴァントのくせに成長するとは、また重ねて生意気な。桜は、あからさまに大きく舌打ちした。
 それにしても、特訓とはどんな特訓だ。まさか、その辺のゴキブリをつかまえて食ってたのかこの金毛。
「……しばらく、私に近づかないでくださいねギル兄さん」
「何っ!? 何故だ!」
「……とりあえず私には好き嫌いがあるから、出来れば入れるならギルガメッシュの皿だけにしてもらえるか」
 過去何度か余波に巻き込まれている言峰神父は、極めて真剣な表情で娘に告げるのだった。


 そして、聖杯戦争は開始される。

「――問おう。貴方が、私のマスターか」
 士郎のサーヴァント。白銀の鎧に身を包む少女剣士――“セイバー”。

「――――」
「――セイバー、さん?……いえ、違う……」
 そして桜の召喚した、セイバーと瓜二つの容貌を持つ黒色の剣士――“バーサーカー”

 それぞれが得た鍵(パートナー)を手に、少年たちは聖杯を求める戦端を開く。

 

「ねね姉さんっ!何してるんですかっ、先輩に先輩と何してるんですかあっ!」
「何って……衛宮くん聖杯戦争について何も知らないみたいだから、教えてあげてるんじゃない。全く、あなたがついていながらなんでこんなに……」
「ええ、私からもリンにお願いして……」
「いけませぇーーーんっ!」
「え、な、なんで?」

 

 桜、凛、士郎。若さと未熟を幼馴染3人の共闘でカバーし、彼らは他のマスターたちに挑む。
 残るサーヴァントも半数となった、戦いの半ば。

「父さん――バーサーカー!? そんな……」
「桜。お前の役割ももう、終わった。お前はよくやってくれた――幼い頃にかけた、私の暗示。衛宮士郎に近づき、この聖杯戦争に巻き込む釣り餌としてのな」

 バーサーカーを奪われ、義父に裏切られ。
 そして士郎に対する想いもまた、義父によって造られていたものと桜は知る。
 それでも、なお。

「天にまします我らの腐れ神様あばずれマリア様!どうぞわたしと先輩の敵を、滞りなくぶっ殺させたまえ!もしわたしか先輩どっちかでも殺しやがったら、地獄から悪魔つれて攻めていくから覚悟しろっ!」

 桜は、士郎とともに在る道を択んだ。


「そうか。そろそろ我の力が必要になったようだな、桜よ!」
「……いや、別にいりませんよ兄さん。それより、私たちの愛の巣にご飯時を狙って訊ねてくるのやめてください。恥ずかしい」
「そうですアーチャー。それと、私のハンバーグに伸ばしたその箸を即刻退いてもらいたい。斬りますよ」
「ぬうっ!?二人揃って世界の王をなんたる扱いか!」
「いや……桜もセイバーも、そんな邪険にしなくても。いいよ、一人くらい余分あるから、食っていきなよギル兄」
「ふっははははは!さすがそこの下僕体質は王の扱いを心得ているようだな!よかろう!その庶民の下賎な料理を我に献上する栄誉、存分に浴せ!」
「……そんなに、これを今生最後の食事にしたいですかギル兄さん?」

 

 そして、桜は士郎とともに。
 かつて心を繋いだサーヴァントと。父と呼んだ男との戦いに赴く。


 エ ク ス
「約束された――
                        カリバー
                     ――勝利の剣!
 黄金の波涛と、真黒の颶風。
 合わせ鏡の存在は正反する力をもって、己の影を世界より掻き消さんとその威を解き放つ。
 光と闇の奔流は、二匹の竜が食らい合う如く弾け、吼え、一つに絡み合って天を貫いた。


「――告げる(セット)」
 短い呪文とともに、桜の手から三本の刃が伸びた。
 修道衣をひるがえし、足元から立ち昇るは黒い燐光。
「私が殺す。私が生かす。私が傷つけ私が癒す。我が手を逃れうる者は一人もいない。我が目の届かぬ者は一人もいない――」
            
「Gebuhr,Zweihaunder(次、接続)……」
 桜に合わせ、士郎も詠唱を始める。
 桜が見つけてくれた、士郎だけの才能。

「Ich bin der Knochen meiner Klinge――」 
――身体は剣で出来ている

 固有結界、“無限の剣製(Unbegrenzte Klinge Funktioniert)”。

「――っ!」
 倒れ伏す士郎を庇うように、黒衣の桜が黒き剣士の前に立ちはだかる。
 固有結界を維持するのに精一杯の士郎に代わり、桜がこの墓標の丘に並ぶ剣を振るう。それが、二人の策であった。

 バーサーカーの感情のない瞳が、桜を見据える。振りかぶられた黒刃は寸分の迷いも狂いもなく、かつてのマスターを両断する必殺のラインを捉えている。
 その黒い輝きを睨み据えて、桜は。
「さくらぁぁぁーーーーーっ! ……って、え?」
「すみません、先輩」
 動けない士郎の襟首をひっつかむと、桜は見た目の細さからは容易に信じられない膂力でその体を引き上げ――盾にした。
「うわぁああ!?」
「――!」
 とっさに両腕を掲げる士郎の姿を視界に映したのだろう、バーサーカーの剣が、止まった。士郎の額の薄皮一枚だけを裂いた、本当にぎりぎりのところで。
「……え?」
 震えている。理性など英霊の座に置いてきたはずの、バーサーカーのサーヴァントが。

「セイ……バー?」

 つっ、と。一粒だけの涙が、バーサーカーの感情のない左目から零れる。
 バーサーカーの隙は、桜には十分なものだった。
「ごめんね……バーサーカー」
 桜の魔力を満たした黒鍵がバーサーカーの鎧を徹し、胸から背まで貫き通す。
 片手にあった二本の黒鍵を両手へと持ち替えて、桜は澄んだ声を響かせて高らかに詠う。

「打ち砕かれよ。敗れた者、老いた者を私が招く。私に委ね、私に学び、私に従え。休息を。唄を忘れず、祈りを忘れず、私を忘れず、私は軽く、あらゆる重みを忘れさせる」

 動きの停まったバーサーカー ――義父に奪われた、自らのサーヴァントの胴にありったけの黒鍵を打ち込むと、桜は間断なく、士郎の展開した剣の丘から一本の直剣を引き抜いた。

「装うなかれ。許しには報復を、信頼には裏切りを、希望には絶望を、光あるものには闇を、生あるものには暗い死を」

 直剣を、バーサーカーの太ももに刺し入れる。続いて既に左手で抜き取っていた日本刀を。曲剣を。槍を。短刀を。

「休息は私の手に。貴方の罪に油を注ぎ印を記そう。永遠の命は、死の中でこそ与えられる。――許しはここに。受肉した私が誓う」

 魔剣グラム。神剣カラドボルグ。十握剣。宝剣倚天、青紅。
 バーサーカーが針鼠になっていくその凄惨な光景に、士郎は声を上げることも出来ず、ただ見入っていた。

         キリエ・エレイソン
 「――――“この魂に憐れみを”」

 最後に、両手で渾身の力をもって彼女の胸に突き立てたのは、黄金の剣。
 妖精たちが偉大な王に贈った聖なる剣に、清浄を命ずる祝詞が伝染(つた)う。

 黒い霧が弾け、続けて剣の丘も陽炎と消えた。
 投影の剣はともに消えうせ、黒鍵も刃を収めて柄だけの姿で地に落ちる。
 あとに残ったのは、全身を血に染めたバーサーカー――否。
 セイバーと鏡写しの、その姿であった。
 彼女は、両目を丸く見開いて、夢から醒めた子供のような、不思議なものでもその青い瞳に映したかのような表情で桜と士郎を見つめていた。

「え、あ……シロウ――?」

 その言葉だけを残して。
 痛みも忘れた、不思議そうな表情のままで。
 彼女の姿は静かに薄れ、消えていった。

「ごめんなさい、先輩。でも、先輩も少しは怖い目にあってもらわないといけないって思ったんです」
「あの子の苦しみの責任の一端は、先輩にもあったから」
「でも、一番の罪人はわたし。だから、あの子を救うのはわたし自身でなくちゃならなかった」

「よくわかんないけど……多分、桜の言っていること、正しいんだと思う」
「最後に、あいつ、セイバーそっくりの顔で俺を見て……なんだか、悲しそうだったんだ」

「――ありがとうございます、先輩」
 桜は静かに十字を切ると、胸の前で手を組んだ。
 士郎は今まで、一度だって桜と綺礼の親子を、聖職者らしいと感じたことはない。本当に聖職者かよ、などと感じたことなら幾度もあれど。
 けれど、消えていったバーサーカーの魂に祈る今の彼女の姿は、士郎の目に、とても神々しいものに見えた。
「ところで、桜……もしあの時、バーサーカーが剣を止めてなかったら、どうする気だったんだ?」
 桜は、朗らかに微笑んで、こう言った。
「そのときは、私がちゃんと先輩の仇を取りますよ。安心してください」
「……それは……どうも」
 その場合、俺の仇はむしろ桜なんじゃないか、とは――やはり士郎には、思いはしても口には出せなかった。

 


「おじさん!言峰のおじさん!」
「おじさんが、間違ってることがある!」
「桜は、いい子だよ。そりゃあ、ちょっとわがままで、空気読めなくて、陰謀体質で、回りも見えないところあって、すぐ空回りして、友達少なくって、ストーカーっぽくて、何かというと俺や遠坂にセクハラとかしてきて、それで怒るとすごく怖いけど」
「でもいい子だ。俺なんかを、好きだって言ってくれたんだ。守るって、言ってくれたんだ。絶対に、そんな悪いモノの器に相応しい子なんかじゃない!」
「それと、もう一つ!」
「桜は、楽しそうだった。それはおじさん、おじさんと過ごしていて楽しかったからだ。おじさんだって、始まりはウソだったかもしれない。でも、この十年間までがウソだったなんて言わせない。楽しくなかったなんて、言わせない!」


「父さんが、ひとつ間違っていることがあります。私の先輩への思いは、偽りじゃない。貴方に創られたものなんかじゃない」
「だって先輩とわたしは、その前に出会っていたんだから」
「父さん、貴方がしたことは、私の背中をちょっと押してくれただけ。この十年で積み上げてきたわたしの思いは、ウソじゃない!この時間は、偽物なんかじゃないっ!」


 果たして、言峰桜の聖杯戦争は、そして桜と士郎のふたりの運命は、どんな終幕を見せるのか――。


「光は消せても、影は消せない。握った手の中に。瞬きの瞼の裏に。身体の中の、ハラワタに。私の力の及ばない場所はない。私の手の届かない場所はない」


「真っ黒く――浄化してあげますよ」

 

 


バーサーカー=黒セイバーネタは、当時頂いた感想の中から貰いました。

でも修道服(当時はシスター服とか書いてた私)は譲れません。

 


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