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なのはの一年 [リリカルなのはSS]

多分A’s後準拠。で合ってると思う。

 

 

「あれから、もう一年か…」
 なのはは、左手の中のシャープペンをくるくると回しつつ机に向かっていた。
 冬休みの宿題、「一年をふりかえって」の作文。
 はやてを守る守護騎士たちと戦い、通じ合って、分かり合えたあの戦いから、もう一年が過ぎた。なのはももう、四年生。それもあと数ヶ月で、終わりだ。
 正月をフェイトの家族と一緒に過ごすのも、もう2回目。これからも、こういう日々が続けばいいと思う。
「何を書こうかな……やっぱり、フェイトちゃんとのことかな」
 そう、一番の親友との平和な一年を。
 この一年でたくさん、たくさん、思い出を作ることが出来た。そしてこれからも、この何倍もの素敵な思い出を、きっとみんなと作ることが出来るだろう。
 さすがに、管理局のこととか魔法のことなどは書けないけれど。
 くすりと笑みを漏らすと、机の端のレイジングハートが応えるように輝いた。

――目を、閉じて。
 なのはは、この一年のフェイトとの思い出を瞼の裏に蘇えらせていく。

 

 お正月には、みんなで温泉旅行に行きました。
 私の家族と、フェイトちゃんの家族。
 お父さんの運転する車に、私とフェイトちゃんが並んで座りました。
「フェイトちゃん、温泉初めて?」
「うん」
「広いお風呂だからね。一緒に入れるんだよ!」
「え、え……じゃあ、その……混浴だね、なのは」
「フェイトちゃん、女の子同士は混浴って言わないんだよ」
「えっ?じゃあ、いくら見ても犯罪じゃ……?」
「う、うんまあ一応……でも、恥ずかしいからあんまり……」

――ニッポン最高!

「日本じゃなくても多分どこの国でも……えと、聞いてるフェイトちゃん?何でガッツポーズしてるの、ねえ?」

 

 バレンタインには、フェイトちゃんが手作りチョコをみんなに作ってきてくれました。
 慣れない手つきで、でも頑張って作ったチョコレートに綺麗なリボンを掛けて、すずかちゃんやアリサちゃんにも手渡していました。
「女の子同士でチョコって……フェイトって、日本のバレンタインデーの意味、わかってるのかしら」
「今は、女の子同士でも友情チョコって流行ってるらしいよ? それに、やっぱり嬉しいじゃない、貰えると」
「う、ま、まあね……」
 二人は、照れながらもとっても嬉しそうでした。
 それから、フェイトちゃんは私のところにも来て、顔を真っ赤にしていいました。
「なのはには……これっ!もらって!」
 ばさっと制服を脱いだその下には、体中にリボンを巻きつけたフェイトちゃんの姿がありました。
「え、えええっ!?え、えとフェイトちゃん……」
「残さず食べてね、なのは」
 白い肌をピンクのリボンで包んで、ぽっと顔を赤らめてるフェイトちゃんの姿は、可愛いんだけど。うん、とっても可愛いのは、それはもう心から認めるんだけど。
「あ、あは……あはは……」

「……120%理解してるわね、バレンタインの意味……」
「でも、もっと決定的に大事な何かをわかってないよね」
 うしろで、何かお話しているすずかちゃんとアリサちゃん。そんなことより、フェイトちゃんを止めて欲しいんだけど。
「フェイトには、ピンクよりもオレンジとかのリボンの方が似合うと思うんだ」
「いや、そこじゃないから」

 

 夏休みには、はやてちゃん家とみんなで海にいきました。
「うらぁー!……くそー!また外れたー!って全然場所違うじゃんかよう!お前ら嘘ばっか教えやがってー!」
「あははー。もう、ヴィータはヘタっぴやなぁ」
「気配で読め、そのくらい」
「スイカに気配なんかあるかぁっ、ちくしょー!!」
 ヴィータちゃんはあんな武器使ってるけど、意外にスイカ割りはヘタでした。
 あと、フェイトちゃんは――
「なのは。日焼け止め塗らないと」
「あ、うん。フェイトちゃん肌白いから、良く塗っとかないとね」
「うん、私は平気」
「ダメだよう。あ、そうだ。自分じゃ背中とか塗りにくいから、塗りっこしようか?」
「…………え、ええっ!?」
「っ!?ど、どうしたのフェイトちゃん?」
「塗りっこ……なのはの肌に、ドロドロのを……え、私にも?そんな、ダメだよなのは……」
「……フェイトちゃん?えと、大丈夫?」
 しばらく自分の体を抱いてふるふる震えていたフェイトちゃんは、何かを決意したような顔で頷いて言いました。
「うん、わかった。私、なのはのなら……飲む」
「飲んじゃダメだよ日焼け止めなんかー!?」

 

 そして、またお正月。
 今年は、フェイトちゃん一家が私の家に来て、一緒に年越しをしました。ちょっと夜更かしをして年越しそばも食べて、晴れ着を着て初詣にも行って。
 それから、フェイトちゃんと一緒に私の部屋にお泊り。一緒の布団の中で、お喋りしたりしてました。
「ね、フェイトちゃん。一緒に見たいね、初日の出」
「初日の出……なのはといっしょに……」

 初日の出
  ↓
 夜明け
  ↓
 二人で朝を迎える
  ↓
 姫始め

「な、なのは……わたし、はじめてだから……優しくしてね」
「え?う、うん……?」


 それから、二人で早起きして、ちょっとレイジングハートにお願いして。
 魔法で空まで上がって、二人で初日の出を見ました。
 空は少し寒かったけど、とても綺麗な初日の出に、私は手を合わせてお願いしました。
(今年も、フェイトちゃんやみんなと、楽しく仲良く過ごせますように)
 隣を見ると、フェイトちゃんも目を閉じて、何かをお願いしているみたいでした。一体、どんなお願いごとをしているんだろってちょっと気になるけど、フェイトちゃんのことだからきっと素敵なお祈りなんだって思います。

(今年は、もっとなのはと親密に……いっそ結婚、ううんそれはまだ私たちの年じゃ無理だから、婚約で我慢かな。……もういっそ出来ちゃったとかなら、なのはもきっと責任とってくれて……)

「これからもずっとずーっと友達でいてね、フェイトちゃん!……あれ、何で落ち込んでるのフェイトちゃん。フェイトちゃん?」


 と、いうわけで、去年はとっても楽しい一年でした。今年もいい年になりますように。

 


 追伸。でも最近、フェイトちゃんがちょっと心配です。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

18才になっても、二人はこういう関係でいつづけて欲しいと思う。

 

イヤ、自分クスリなんかやってませんよ何も。

 


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