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世論調査は左派連立より保守党政権を志向 [2008年政治危機]

2368199 ストラテジック・カウンセル社が1000人を対象に行った世論調査は、政治危機を通じてハーパー首相は全国的に支持を高めたが、ケベックでは支持を下げたこと、また多くのカナダ人が左派連立政権より保守党政権を好むことを示した。

 回答者の55%は「カナダは間違った道を進んでいる」と感じ、そして、33%は「カナダは正しい道を進んでいる」と感じた。
 「今後ハーパー首相に政権を任せられない」は47%、「ハーパー首相は信頼できる」は51%と拮抗した。また政治危機の責任は「保守党にある」と回答した人は45%、「野党にある」と回答した人は40%だった。
 「選挙が今日実施されたらどの党に投票するか」という設問では、保守党45%、自由党24%、新民主党14%という結果となった。保守党はケベック以外の9州で53%の支持を得たが、ケベックではわずか18%にとどまり、ケベック連合の41%、自由党の23%に大差をつけられている。保守党のケベックでの支持率18%は、10月の総選挙での得票率より4ポイント低下している。
2370394 自由党=新民主党連立政権については、「支持する」は37%、「支持しない」は58%だった。それに加え、60%の回答者がケベック連合に頼る連立に反対した。
 しかしケベックでは、55%の回答者が自由党=新民主党連立政権を支持し、53%の回答者が連立政権におけるケベック連合の役割を支持した。また63%の回答者が、政治危機の責任は保守党にあると回答した。
 ケベック人の67%は「今後ハーパー首相に政権を任せられない」と回答した。また「ディオン党首には政権を任せられない」という設問に57%が同意し、40%が反対した。
 「議会の停会は政治危機への最善の対処だった」という設問には、44%のカナダ人が同意した。


写真:停会に抗議し国会議事堂前に集結した連立支持派。
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総督、連邦議会を停会 [2008年政治危機]

 ハーパー首相は12月4日9時半(東部標準時)、総督官邸リドー・ホールを訪れ、連邦議会の停会を奏上した。2時間以上に及ぶ長い会談の後、ミカエル・ジャン総督は史上初めて、議会の停会に同意した。これにより現在の会期は終了し、8日に予定されていた内閣不信任案採決は回避され、ハーパー政権は1月まで延命することとなった。
 議会の次の会期が開かれるのは、1月26日である。そこで最初に扱われるのは2009年度予算となる。予算案はそれ自体が内閣信任投票であり、否決されれば内閣総辞職か解散・総選挙に追い込まれる。だが経済危機の最中にあって、野党の言い分を取り入れ経済対策が盛り込まれるであろう予算案を野党が蹴って、新政権樹立もしくは総選挙に突入することにはいささか抵抗があるかもしれない。
 会談を終えてリドー・ホールから現れたハーパー首相は、声明を発表した。
「政府は、野党と対話する用意がある。私は、彼らの提案を聞きたい。」
 また、ケベック連合についてこう述べた。
「私のカナダはケベックを含み、彼らのケベックはカナダを含まない。」
 これらの動きについて、自由党のステファン・ディオン党首はこうコメントした。
「我々は、今日ここで起こった無法を噛みしめるべきだ。カナダの歴史上初めて、首相が議会から逃げ出している。」
 新民主党のジャック・レイトン党首はこう語った。
「私は、不信任されるとわかっている下院のドアに施錠する首相を信任することはできない。」
ケベック連合のジル・デュセップ党首もこう述べた。
「我々は首相を信じない。我々は首相を信任しない。」
 自由党のデレク・リー議員は、議会の停会について過去の例を挙げた。それは1933年の選挙期間中にドイツの国会議事堂が放火された事件で、ナチスはこれに乗じ戒厳令を施行して言論や集会の自由を制限し、共産党を弾圧し、選挙で躍進した。
 自由党のジム・カリジャニス議員は、1月に連邦議会が開会される前にディオン党首は更迭されるだろうと語った。

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カナダ人の多くは政府の経済政策に失望、ただし連立政権には不安 [2008年政治危機]

 アンガス・リード社が12月1日、オンライン上で1012人を対象に行った世論調査は、全国的に大多数の回答者が保守党の経済政策に不満を抱いているが、政権交代すべきかどうかについては意見が分かれた。また内閣不信任された場合については、回答者は総選挙を望まず別の政権を望むが、ディオン首班の連立政権やケベック連合に支援される政権を望んでいないことがわかった。

 まず連邦政府の経済政策については、「失望した」が53%、「失望していない」が36%、また連邦政府の緊急景気刺激策については、「失望した」が75%、「失望していない」が17%と、圧倒的多数の回答者は連邦政府の経済政策を支持していない。
 次に「保守党は政権を担当する資格があるか」という設問には、「ある」が35%、「ない」が40%と、拮抗している。保守党の支持は、アルバータ・サスカチュワン・マニトバの中西部で最も高く、ケベックで最も低い。
 内閣不信任案については、議員は「賛成票を投じるべきだ」が36%、「反対票を投じるべきだ」が40%と、こちらも拮抗している。内閣不信任について最も高い数値を示したのはケベックの48%で、最も低い数値を示したのはアルバータの22%だった。
 いっぽう新しい政権については、「ディオン党首がカナダの首相になることに不安がある」と答えた回答者は64%だった。
 ケベック連合の政権参与については、「不安がある」と答えた回答者が全国で57%いた。そしてアルバータの82%、オンタリオの58%が「不安がある」と回答したが、ケベックの57%は「満足している」と回答した。
 クロップ社が先週末にケベックで行った世論調査では、ケベック連合に支援される連立政権に賛成する回答者は70%だった。
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ハーパー首相、議会の停会を要請か [2008年政治危機]

2362742

 ミカエル・ジャン総督は東欧4か国訪問の予定を切り上げ、12月3日に急遽帰国した。彼女はハンガリー、スロバキア、チェコを歴訪したが、予定されていたスロベニア訪問は中止された。
 ハーパー首相は4日午前9時半(東部標準時)、総督官邸リドー・ホールを訪れる。総督にどのような要請をするかについて首相は明言を避けたが、閣僚たちは首相が要請するのは議会の停会だと語った。閣僚の一人は、首相による停会の要請を総督は拒否できないという信念に、ハーパー首相はとりつかれていると明かした。
 総督が停会を許可すれば、わずか16日前に始まった現在のセッションは終了し、8日に予定されていた内閣不信任案採決は回避される。首相はそれから来年1月、新たに施政方針演説からやり直し、1月27日に予算案を上程する。経済危機への対応として、ハーパー首相は州首相を招いて1月16日に経済サミットを開催する予定になっており、やはり来年1月までは是が非でも政権にしがみついていたいようだ。
 連邦議会の停会は、過去に認められた例がない。内閣不信任動議などで少数政権がひとたび危機に瀕したとき、首相はいつでも議会を停会できるのだろうか。ジャン総督がこれを認めれば、それは前例として今後多用されることになるだろう。
 自由党のディオン党首は3日、議会を停止・中止・延期する首相のあらゆる要請を拒否し、内閣不信任案採決に進むよう総督に手紙で要請したと報道陣に語り、次のように述べた。
「ハーパー首相が考える解決策とは、議会を停止し、不信任案採決を避け、混乱を続けることでいっそう危機を拡大することだ」。


図:「総督閣下、お帰りなさいませ。」
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緑の党、左派連立政権支持を表明 [2008年政治危機]

 緑の党のエリザベス・メイ党首は12月2日、自由党のディオン党首と会談し、左派連立政権を支持する意向を明らかにした。
 緑の党は一人の議員もなく、本来は連立には参加できないし、閣僚ポストもないだろうが、10月の総選挙で獲得した94万票は連立政権にとっては魅力である。そこでディオン党首が首相に就任したら、メイ党首を上院議員に指名してもらおうというのである。
 上院議員は首相の任命制で改選はなく、75歳定年制なので下院議員と異なり落選の心配はない。だが緑の党の支持は拡大している。メイ党首は最も当選の可能性を持つうちの一人であり、その彼女が選挙を戦うこともなく指名されて上院議員になるのは、いかがなものだろうか。もしも彼女が、議員になれるチャンスは左派連立政権時代だけだと考えているとしたら、残念なことである。
 たとえ上院議員になったとしても、次の総選挙までには辞任し、もう一度戦う姿を見せてほしいものだ。
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瀬戸際のハーパー首相に対策は? [2008年政治危機]

野党3党が連立協議を進めるなか、ハーパー政権は「倒閣を阻止するためあらゆる手段を講じる」と語ったが、ラジオでの野党批判以外に目立った活動はしていない。ここで、ハーパー首相が政権を死守するためのいくつかの方策について検討してみる。

●下院を解散し総選挙を実施
選挙に勝てる保証はなく、そもそも解散・総選挙に総督が勅許を与えるとは思えない。

●内閣不信任案採決を再度延期する
与党は野党の動議日程を変更できる。ただし再度の延期は間違いなく総督の介入を招くだろう。総督は首相に内閣信任投票を命じる可能性が高い。

●議会の停会
1月27日に予定されている予算案提出まで議会を停会し、内閣不信任を一時阻止する。だが内閣不信任案採決を遅らせたところで、有効な打開策が見つからなければただの時間稼ぎに終わる。また停会には総督の勅許が必要であり、それが得られる保証はない。

●野党下院議員を上院議員に指名する
下院勢力は保守党143議席、野党連合163議席なので、野党議員を20人ほど辞職させれば与野党の勢力は逆転する。そこで首相は野党下院議員を上院議員に指名するのだ。ただ現在、上院の空席は18議席しかない。ところが首相には、女王の同意を得て上院議席を8名拡大できるという憲法上の特権がある。この特権は、マルローニ首相によって歴史上ただ一度しか行使されたことがなく、1874年にはマッケンジー首相がビクトリア女王にこの特権の行使を拒否されている。
上院議員は首相の任命制で改選はなく、75歳定年制なので下院議員と異なり落選の恐怖におびえる心配はない。だが上院議員は実質的に権限のない名誉職であり、このために下院議員を辞職する者はほとんどいないだろう。上院議員で首相になったのはマッケンジー・ボーウェルだけである。奥の手を二重に行使し、梯子を2つかけても届かないようでは首相はいい笑い者になるだろう。

●ケベック連合を誘惑する
ケベックを国家と認める、ケベック民族と文化の重要性を憲法に盛り込むことを約束する、最高裁判事にケベック人を大量に指名することを約束するなどの譲歩により、ケベック連合を敵陣から自陣に寝返らせる。
これはもはや、何かのパロディとしか思えない。西部を基盤とする保守党は、歴史的にケベックと敵対してきた。マルローニ首相がかつてケベック民族主義者に譲歩し、1993年総選挙で保守党を破滅させたのはいまだ記憶に新しい。ハーパー首相が「自由党はカナダを分離主義者に売り渡した」と口を極めて非難し、ケベック連合も協定に調印した今となっては、ありえない話である。

●フラハティ財務相を解任し、野党に土下座する
野党を決定的に怒らせた政党助成金廃止の責任を、フラハティ財務相に押し付けてスケープゴートにし、ひたすら謝罪して慰撫に努める。
こんなことをすれば、今後誰もハーパー首相に忠実に働こうとは思わないだろう。政権を死守するためには、ここまでしなければならないのだろうか。ハーパー首相はまだ49歳、これから政権復帰のチャンスはいくらでもあり、ここまでやるよりむしろ、おとなしく野に下った方が今後のためになるのではないだろうか。連立協定調印前なら有効な案だったかもしれない。

●女王に総督を解任させる
これはハーパー首相の最終兵器である。ハーパー首相が総督に総辞職させられる前に機先を制し、女王に働きかけてミカエル・ジャン総督を解任し、停会か解散・総選挙を支持する別人を指名する。解任の理由は、ジャン総督が過去にケベック分離主義のシンパであったことなど、どうとでもつけられる。
このアイデアはオーストラリアで、ホイットラム首相が女王に働きかけてカー総督を解任させるのを恐れた総督が、ホイットラム首相を警告なしに解任した1975年憲法危機に由来するものである。しかしオーストラリア憲法危機と今回の政変には、重大な違いがある。オーストラリアではホイットラム政権は下院で過半数を制していたにもかかわらず、上院が予算の通過を拒否していた。だがハーパー政権は下院で少数であり、野党連合は過半数であり、そしてどちらの政権が適しているかを議会に諮っていない。
カナダ人でない女王にカナダ人の総督を解任させる行為は、国家の独立と君主制に対する重大な挑戦となろう。朝敵の汚名を着せられてもなお戦い続ける足利尊氏に、ハーパー首相はなりきれるだろうか。
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野党3党連立協定に調印、ディオン内閣発足へ [2008年政治危機]

2360648 12月1日、自由党・新民主党・ケベック連合の野党3党は連立協定に調印し、ステファン・ディオン党首を首班とする連立政権を樹立することに正式に合意した。連立協定の主な内容は以下のとおり。
・自由党のステファン・ディオン党首を首班とする。
・閣僚ポストは、首相とは別に自由党18・新民主党6・ケベック連合0とする。財務大臣のポストは自由党のものとする。
・自由党と新民主党の連立協定は、更新されない限り2011年6月30日まで効力を持つ。
・ケベック連合は、2010年6月まで閣外協力する。予算や施政方針演説などの信任動議では連立与党を支持するが、それ以外では自由に投票する。
・自由党幹部会と新民主党幹部会はそれぞれ異なる幹部会として存続し、場合によっては合同幹部会を開く。
・上院議員や最高裁判事等の指名に関し、首相は新民主党党首に意見を諮るものとする。

2362741 自由党と新民主党はケベックを国家と認める条項の追加を拒否したため、ケベック連合は閣外協力にとどまることになった。ケベック分離主義のケベック連合が、ケベック人だが連邦主義のディオン氏を支えて行くのも奇妙な話である。3党の間には政策上の隔たりがあり、ディオン党首は選挙期間中、新民主党との連立を否定していた。連立政権の船出は前途多難が予想される。
 マギル大学で憲法を教えるスティーブン・スコット教授は、左派連立政権について次のように述べた。
「長い目で見ると、連立は自由党の利益にならない可能性がある。自由党は、二大政党の一角として国民に幅広く支持され、カナダの歴史のかなりの部分において単独で政権を担ってきた。その自由党が今や、政権奪回のため他の2つの党を頼っている。
ラクダの鼻をテントに入れると、ラクダの全身をテントに入れることになる。ラクダはレイトン党首だ。新民主党を支持していない自由党やケベック連合の支持者は、やがて新民主党の政策に感化されるかもしれない。今まで自由党の補完勢力でしかなかった新民主党は、わずかな閣僚ポストを得て政権のテントに鼻先を入れ、やがてはテント全体を乗っ取るかもしれない」。

 ジム・プレンティス環境大臣は、倒閣を阻止するためあらゆる手段を講じると発表した。有力な一つの手段として、ハーパー首相が議会の停会を総督に要請するというものがある。これはもちろん合憲だが、野党が新たな政権を樹立しようとしているときに議会が停会された前例はなく、このような要請は総督を困惑させることになるだろう。ある保守党議員は、前回総選挙からわずか2か月後の解散・総選挙に総督が抵抗を感じるなら、議会を今月停会し来年再開すれば、さらに1・2か月が経過しているから、解散・総選挙に勅許を与えるかもしれないと語った。
 だが保守党のダリル・クランプ議員は「停会はただの時間稼ぎにすぎず、ハーパー政権は遅かれ早かれ打倒されることに変わりはないだろう」とコメントした。


写真上:連立協定に調印する野党3党党首。右からジル・デュセップ党首(ケベック連合)、ステファン・ディオン党首(自由党)、ジャック・レイトン党首(新民主党)。
写真下:連立協定最終ページの署名。
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ディオン党首を連立政権首班に [2008年政治危機]

 自由党幹部会は12月1日、ステファン・ディオン党首を連立政権首班とすることを満場一致で決定した。党首選に立候補した3人の候補が早々とディオン首班で合意したため、この方面での攪乱を狙っていたハーパー首相の目論みは潰え、政権交代はほぼ確実となった。
 会議を終えると、党首選に立候補した3人の候補はインタビューに答えて、ディオン首班を容認する見返りに閣僚ポストを得る取引はないと述べたが、現職の閣僚が党首選に出馬した前例はあると指摘し、連立政権に入閣することは何ら党首選を戦ううえで妨げにはならないと語った。
 ボブ・レイ議員はこう語った。
「引き返すことはない」。
 マイケル・イグナティエフ議員は、以下のようにコメントした。。
「財務上の責任から、私は協定を支持する。党が選出したリーダーであるステファン・ディオン氏が国を導く唯一の人物だということで、我々3人は一致した。閣僚の選任は首相の専任事項であり、それは私でも、ドミニクでも、ボブのものでもない」。
 ドミニク・ルブラン議員はそこでこう答えた。
「マイケルは、常に正しい!」

 この日ハーパー首相が議場に入ると、保守党議員からスタンディング・オベーションで迎えられたが、ロブ・ニコルソン法務大臣とストックウェル・デイ貿易大臣は席についたままだった。
 一度は死んだつもりだったディオン党首もまた、自由党と新民主党議員からスタンディング・オベーションで迎えられた。党首討論で彼はこう詰め寄った。
「総理は、自分がまだ議会で信任されていると思いますか?」
 それは勝者が敗者に、敗者が勝者に変わった瞬間だった。
 ハーパー首相は、こう答弁した。
「私は、彼は首相になりたいのだと思う。彼はカナダの歴史上最大の政治的ゲームを仕掛けている。自由党の党首は無謀にも、世界的な経済危機において、社会主義者と分離主義者の拒否権の脅威の下で政権を運営しようとしている」。
 そして、1月27日に予定されている予算案発表まで待つことを野党に求めた。
 ジム・フラハティ財務大臣は、自由党を「悪魔と取引した」と非難し、新民主党についても「経済の基本さえ知らない」と一蹴した。

 ハーパー首相は11月28日、10月の選挙に敗れた野党による政権奪取は非合法だと訴えた。だが自由党と新民主党は、ハーパー氏が2004年、マーチン内閣を打倒し総選挙を経ずして野党連合政権を樹立するという手紙をクラークソン総督に書いた事実から、それは終わった話だと主張した。手紙にはこう書かれていた。
「我々は、下院で過半数を構成する野党の協議が成立に近づいていることを、謹んでお知らせする。解散の要請はあるべきだが、閣下は憲法上の権限を行使する前に、野党党首に意見を聞いて全てのオプションについて考慮すべきであると我々は確信する」。
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自由党・新民主党、さらなる連立協議 [2008年政治危機]

 予算案は例年2月に上程されるが、ジム・フラハティ財務相は11月30日、次年度予算を1月27日に上程すると発表した。この席で彼は初めて、フォード・ゼネラルモータース・クライスラーの「ビッグ3」自動車メーカーを救済するための公的資金投入を示唆した。またジョン・ベアード運輸相は、連邦公務員のストライキ禁止を撤回した。
 ハーパー政権は野党を激怒させたこれらの政策を撤回し、事態の収拾に努めているが、自由党と新民主党は同日、さらなる連立協議を行った。そこで両党は、閣僚ポストを自由党18・新民主党6・ケベック連合0とすること、3党は2年6か月間連立政権を支えることを決定した。
 しかし3党は依然として、カナダ軍のアフガニスタン撤退などについて意見を異にしている。新民主党は、公務員のストライキ容認と法人税減税を要求するだろう。ケベック連合は、ケベックの基幹産業である航空・酪農産業への税制優遇と連邦権限の州への委譲を要求するだろう。そして連立政権首班は最も紛糾しそうな問題であり、保守党政権は3党の足並みの乱れにつけこみ、攪乱してくることが予想される。
 だが自由党党首選に立候補したボブ・レイ議員はこの日、競争相手のマイケル・イグナティエフ議員とドミニク・ルブラン議員を会談に誘い、3人協同でディオン首班を支持することを訴えた。イグナティエフは幹部会で最も支持されており、党内はディオン首班でまとまりそうだ。
 ハーパー首相が解散・総選挙を要請した場合許可するかどうか、許可しない場合は誰を首相に指名するかは、総督の権限である。ミカエル・ジャン総督は現在、東ヨーロッパを訪問しており、12月6日まで帰国しない予定になっている。
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ハーパー首相、反撃の狼煙を上げる [2008年政治危機]

2352121
 首相官邸は保守党議員に、週末電撃作戦への出撃命令を下した。それは、保守党政権の正当性と野党による政権簒奪の非民主制を世論に訴えるための詳細な宣伝戦略が記された電子メールであった。そこには以下のように書かれていた。

「野党が巻き起こした今回の騒動は、自由党・新民主党・ケベック連合が2700万ドルに及ぶ政党助成金を維持したいだけであり、10月の総選挙で合法的な政権獲得に失敗した彼らが政権を簒奪しようとする企てに過ぎない」
「我々は10月の総選挙で信任されたが、野党は垂簾の奥で誰が首相になるかについて密談している。有権者はこの人に投票しなかった。我々は、この人が何者であるか知らない」
「有権者の誰一人として、自由党=新民主党連立に投票しなかった。有権者の誰一人として、自由党が分離主義のケベック連合ともにと連立政権を作るのに投票しなかった」
「保守党は選挙に勝った。にもかかわらず野党は、保守党が少数政権となった有権者の意志を尊重しなければならないと言っている。だが自由党・新民主党・ケベック連合は、有権者に突きつけられた敗北の意志をどれほど尊重しているのか」
「政府の決定について社会主義者と分離主義者に拒否権を与えるとは、自由党はどれほど必死なのだろうか。それは経済破滅への道である」
「野党は、政党助成金廃止によって保守党が最も多くの資金を失うという事実を見過ごしている。保守党は国民からの自発的献金を受け取っているので、公的助成の必要を感じていない。野党が反対する真の理由は、誰も野党に献金しないという事情から来るものだ。彼らは、その問題を是正することにその努力を向けるべきだ」
「私は、再び総選挙を実施したいと思わない。しかし私がもっと避けたいのは、投票する機会さえない密室で首相が誕生することである。民主主義に対する何という侮辱であろうか」
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ハーパー政権、政党助成金廃止を撤回 [2008年政治危機]

 憲法危機が懸念される中、ハーパー政権は野党との対立を回避するため、ついに政党助成金廃止を撤回した。
 ジョン・ベアード運輸大臣は11月29日、政党が1票得票するごとに1.95ドルの助成金を受けられる制度を変更しないと発表し、次のように語った。
「政党助成金問題はおそらく、次の選挙で国民と議論すべき問題であろうが、この問題のために解散して総選挙を実施するほどの価値があるとは考えていない」。
 12月8日に提出される予定になっている内閣不信任案は、以下のような内容になっている。
「カナダ経済の深刻な状況を認識せず、特に景気を刺激するためのいかなる信頼性のある対策をも提示することなく、また製造業・自動車産業・林業など逼迫した産業において労働者と事業の援助を履行しない事実に鑑み、本院は政府を不信任し、下院において実行力のある新たな政府が構成されることを求める。」
 これを見るかぎり、内閣不信任の理由はその経済政策への不満と読めるが、本当の理由は、政党助成金廃止が野党3党にとって死活問題だからである。この2つの問題は同時に発生しているため、野党3党は真の理由を伏せ、あくまでも国民のための経済政策を理由として倒閣運動することができる。
 政党助成制度は2003年、ジャン・クレチエン首相が彼自身を含む閣僚の金銭スキャンダルに対応すべく、企業や組合からの政治献金の禁止と抱き合わせで成立させたものである。ゆえに組合からの献金が認められないまま政党助成金が大幅に削減されるのは、左派政党である現在の野党3党にとっては大きな痛手となろう。
 カナダ国民の中には、彼らの税金が分離主義のケベック連合にも助成金として支給されることに異論を唱える者がいる。他党が選挙運動のため飛行機に乗り全国を駆けずり廻っている間、ケベック連合はバスに乗りケベック州だけを廻り、フランス語だけの広告を掲載しているのだ。

 政府与党の方針転換について、自由党のスコット・ブライソン議員は以下のように述べた。
「首相は政局と政治的ゲームにのみ執心し、国民の声に耳を傾けていない」。
「このような厳しい状況において、国民の貯蓄と雇用を守る本当の対策を見るまでは、我々は首相を支援することはできない。我々がG7各国で見た重要な景気刺激策を、政府は採っていない」。
 自由党の経済顧問委員長ジョン・マッカーラム議員は、こう語った。
「ビル・クリントンの言葉を借りて言うなら、『経済だよ、お馬鹿さん』。電車は駅を通過したとは言わないが、速度を増している。今の時点では、政府の言い分を信用するのは難しいだろう」。
 新民主党の広報担当ブラッド・ラビーニュは、政党助成に関する政府の方針転換は、連立政権樹立を阻止する何の影響力もないとして、
「この変更には意味がない。我が党にとって問題は資金調達ではないからだ」
とコメントした。
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自由党=新民主党連立政権樹立へ [2008年政治危機]

 自由党と新民主党は11月27日、ジャン・クレチエン元首相とエド・ブロードベント元党首を仲介者として、保守党政権を打倒し連立政権を樹立する交渉を始めた。カナダには連立の習慣はなく、連立政権が成立すれば、保守党のロバート・ボーデンが1917年に自由党を引き込んで成立させた「連合」内閣以来2度目。また新民主党が与党となれば、北米の歴史上初めての革新与党となる。そしてカナダ史上最短の少数政権は、ジョン・ディーフェンベーカー内閣(第一次)の177日(1957年8月~1958年2月)だが、ハーパー内閣が不信任されればこの記録を大幅に上回ることになる。なお現在の下院勢力は保守党143、自由党77、ケベック連合49、新民主党37、無所属2(定数308)。

 金融危機の影響で景気後退が確実視されているにもかかわらず、ジム・フラハティ財務相は27日、経済対策法案を提出するかわりに、2700万ドルの政党助成金廃止と、連邦公務員に3年間ストライキ権を与えないという支出削減案を提示した。野党はこれに強く反発し、28日に内閣不信任案提出を予定した。野党3党は過半数に達しており、不信任案が上程されれば可決される見通しである。
 少数政権は1年持たないのが通例だが、ハーパー首相が2年半も政権を運営できたのは、その手練手管で野党3党を「分割して統治する」を実行してきたからである。だが政党助成金削減は野党を窮地に陥らせ、団結させる機会を与えることになった。ハーパー首相は2006年、野党3党共同で内閣不信任案を可決させ政権を奪取したにもかかわらず、今回野党の対応を甘く見た。自由党はディオン党首が退陣を表明しているため、政権に就くことができないと高をくくっていたのが首相の誤算だった。
 首相は特権を行使して12月1日に予定されていた野党の日程をキャンセルし、内閣不信任案提出を12月8日に延期させた。首相は1週間の猶予を得て、今後巻き返しに出ることが予想される。

●政権の行方
 内閣不信任案可決の場合、ハーパー首相には総辞職か解散・総選挙の二つの選択肢がある。だが1か月前に解散・総選挙を実施したばかりで、総督が解散の勅許を与えるとは思えない。解散を回避し現在の下院勢力のまま、協力して政権を運営できる別の党首に組閣を命じる可能性が強い。この場合国民の信託を得ていないので、議会での信を得るため内閣信任投票が行われるだろう。
 しかし自由党=新民主党の連立政権は、143議席の保守党に対し114議席しかなく、ケベック連合の協力が不可欠となる。新民主党はいくつかの閣僚ポストを得て政権に入ることになるが、ケベック連合は入閣はせず閣外協力にとどまり、ケベックの林業と製造業が経済援助を受けられる限りにおいて連立政権を支えることになる。
 このような弱い基盤は、1926年の憲法危機を再現させることになりかねない。進歩党の閣外協力を失い少数政権に転落したマッケンジー・キング首相は、ビング総督に解散・総選挙を要請したが、前回総選挙からわずか1年での再選挙は勅許が得られず、総辞職した。ところが代わって政権に就いたアーサー・ミーエン首相は、組閣のわずか3日後に内閣信任案を否決され、解散・総選挙に打って出て敗北し、キングが政権に復帰したというあの事件である。
 カルガリー大学で政治学を教えるバリー・クーパー教授は、今回は倒閣は実現しないと見ている。
「結果は破滅だ。たとえ連立政権が成立したとしても、ミーエン内閣のように長続きしないだろう。そうなれば、次に来るのはハーパーの安定政権だ」。
 ミーエン内閣が倒れた後、キングの政権は17年も続いている。
 アルバータ大学で政治学を教えるスティーブ・パッテン教授は「首相は誰か、そしてどんな政策を掲げているのか?」と語り、自由党が党首選の最中であることに注目し、総督は左派連立政権を退けるだろうと予測した。

●首相は誰か
 誰が連立政権首班になるかは不透明だが、カナディアン・プレスは、当分の間自由党のステファン・ディオン党首を連立政権の首班とすることに野党が合意したと報じた。だが問題は、彼が10月の総選挙で大敗し、5月で辞任することを表明しているということである。状況次第ではディオンが党首辞任を撤回する可能性もあるが、すでに辞任を表明し党首選がスタートした以上、自由党の党則にもとづく限りそれは不可能だ。これに関し自由党広報のダニエル・ローゾンは「ディオン党首は続投したいなら、再び党首選に立候補する必要がある」と語った。
 ディオン首班への反対が強い場合は辞任してもらい、5月の党首選で新党首を選出するまで、暫定党首として経済に明るいジョン・マッカーラム議員かラルフ・グッデール元財務相を首班とするケースも考えられる。事情通の自由党議員は、党首選立候補を表明したマイケル・イグナティエフ、ボブ・レイ、ドミニク・ルブランの3人は連立政権の首班にはならないと明言した。イグナティエフは党内右派で、新民主党・ケベック連合が拒絶反応を示すおそれがあるし、レイは以前新民主党党首だったためこちらも問題がある。そもそもかつてのルームメイトで今は犬猿の仲のイグナティエフとレイの一方を、選挙なしに首相にするようなことがあれば、政権はたちまち内部崩壊するだろう。もちろん新民主党のレイトン党首が首班では、自由党は納得すまい。

●ハーパー首相の反応
 ハーパー首相は11月28日、記者会見で以下のように述べた。
「彼らは権力を委任されたいのではなく、奪取したいのだ。」
「彼らは、建国以来最も低い得票率に終わった党に率いられる政権を樹立しようとしている。」
「彼らは、有権者に6週間前拒絶された党首を首相の地位に就けようとしている。」
「野党は政権を倒すためのあらゆる権利を持つ。しかしディオン党首には選挙の洗礼なしに政権を獲得する権利はない。」
「カナダの政権は、密室の裏取引によってではなく、カナダ国民によって決定されなければならない。それは、あなたがた国民の選択である。彼らの選択ではなく。」
 首相広報のコリー・テネイックは、総選挙敗北後わずか2か月後に連立政権を樹立しようとする動きについて「民主主義への侮辱だ」と非難し、「現在言われている連立政権は、全く前例がないものだ。自由党は、先の総選挙で建国以来最も低い得票率に沈みながら、分離主義者と社会主義者とともに裏口から政権の座に就こうとしている」と吐き捨てた。
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