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歴史的接戦、クラーク首相は勝利宣言、緑の党はキングメーカーに:全ては再集計次第 [バンクーバーとBC]

 (1) 敗者のいない選挙
 5月9日に実施されたブリティッシュコロンビア州議会総選挙は、即日開票され、自由党43議席、新民主党41議席、緑の党3議席(定数87)という結果になった。得票率は自由党40.8%、新民主党39.9%、緑の党16.8%で、議席と得票率の両方で信任を得たクリスティ・クラーク首相は勝利を宣言した。
「我々は得票率で勝ち、最も多くの議席を得た。そして来たる不在者投票で、我々の勝利がより強化されると確信している。」
 定数87の州議会において安定政権を築くには44議席が必要で、与党自由党は1議席足りない。法案を成立させるには他党の協力が不可欠となるが、そればかりか野党が連合すれば政権を打倒することも可能である。
 ところが得票数100票以内の選挙区は、自動的に再集計の対象となる。しかも不在者投票の票数は、まだ集計されていない。コートニー=コモックス選挙区では、新民主党のロンナ=レイ・レナード候補が10058票で当選と暫定的に発表されたが、自由党のジム・ベニンガー候補は10049票獲得しており、その差はわずか9票しかない。そのほか得票差が500分の1以内の選挙区は、裁判で再集計を求めることができ、メイプルリッジ=ミッション選挙区(新民主党候補が120票差で当選)、コキットラム=バークマウンテン選挙区(自由党候補が170票差で当選)、リッチモンド=クイーンズバラ選挙区(自由党候補が263票差で当選)は、結果が変わる可能性がある。 各党は明日にでも連立のための協議に入りたいところだが、再集計の結果次第では、自由党が過半数に達したり、新民主党が第1党になったりする可能性もあり、予断を許さない。再集計は5月22日に始まり、24日までに終わる。
 総選挙の暫定結果を受けて、新民主党のジョン・ホーガン党首は意味深長なコメントをした。
「ブリティッシュコロンビアの市民は、自分たちのために働いてくれる政権を16年間待ち続けてきた。全ての票が開票されるまで、我々はもうしばらくの間皆さんとともに待つことにする。」
 わずか3議席でキャスチング・ボートを握った緑の党のアンドリュー・ウィーバー党首も、旗色を鮮明にはしなかった。
「ブリティッシュコロンビアにとって、何と歴史的な一日だろう。」
「我々は、再集計の完了を待たなければならない。結果が判明するまで、2週間は何も決めることはできない。だが私はまもなく、ホーガン党首と会談する。それから同様に、クラーク首相とチャットで話すことになる。なぜなら我々には提示したいことが多くあり、BC州議会でそれらの考えを推進したいと考えているからだ。」

 (2) 政権の行方
 中道右派の与党自由党は、低税率と小さな政府で予算の均衡を公約した。いっぽう革新の野党新民主党は、富裕層と企業に増税し、保育所に1日あたり10ドルの助成と家賃年間400ドルの助成という画期的な公約をぶち上げた。だが新民主党と中道右派の膠着は12年も続き、いずれの政策も有権者を完全に満足させることはなかった。そして新民主党は2001年を最後に16年間政権から遠ざかり、その間3人の党首が失意のうちに辞任した。
 緑の党は、第三の道を提示した。ウィーバー党首は、自由党の予算案に2度賛成投票した。だが資源開発と環境問題では自由党の批判に回り、キンダーモルガン・パイプラインに反対した。また先住民との新たな関係について新民主党と合意し、自由党案に対抗した。彼は「緑の党と自由党との政策上の類似」ゆえ、クラーク首相はしばらくの間政権を維持できると語った。
 ブリティッシュコロンビア大学で政治学を教えるリチャード・ジョンストン教授は、クラーク首相は再集計までは首相でいられ、またその結果に関係なく、政権を維持する優先的権利を与えられると説明するが、政権の行方は流動的で不確定だという。
「確実に言えることが一つある。緑の党のウィーバー党首は、相当な力を持つポジションにいる。彼がクラーク首相を支持しなければ、彼女はおしまいだ。ボールはウィーバー党首のコートにある。なぜなら、彼がパワーバランスをつかさどっているのだから。過半数を得る唯一の道は、彼がどちらか一方を支持すること以外にない。」
 クラーク首相にとって最初の難関は、議会召集後のスローン・スピーチ(所信表明演説)である。自由党が緑の党と合意に達しなかった場合、首相は新民主党と緑の党の野党連合に、内閣不信任できるものならやってみろと挑発することができる。これは1986年にオンタリオ州で、野党自由党と新民主党が連合し、進歩保守党少数政権を打倒したときと酷似している。
 だがジョンストン教授は、少数与党政権は短命な傾向があり、任期いっぱいまで続かないことが多いことに注目する。自由党は、早期の不意打ち解散・総選挙で優位に立てるという。
「自由党は潤沢な資金を持ち、早期の再選挙に打って出る余裕のある唯一の党である。換言するとウィーバー党首は、現有3議席を保持するため、早期の解散・総選挙は避けたいだろう。」

 (3) 世論調査機関、雪辱を晴らす
 自由党と新民主党が抜きつ抜かれるのデッドヒートを繰り広げるなか、4年前の総選挙で予想を大ハズレさせた世論調査機関各社は、雪辱を期していた。フォーラム・リサーチ、インサイツ・ウェスト、メインストリート・リサーチ、イプソス、アンガス・リードの大手5社は総選挙の最後の週に調査を実施し、新民主党の得票率を40か41%、自由党の得票率を39か40か41%と予測し、おおむね的中させた。自由党過半数を予測した機関があったが、1議席足りなかった。緑の党の得票率は、「戦略的投票」のため難しかったが、5社のうち4社が15か17%と予測し、おおむね的中させた。前日8日に実施したブリティッシュコロンビアのインサイツ・ウェスト社は、自由党41%・新民主党41%・緑の党17%と予測し、最も近い数字となった。
 インサイツ・ウェスト社のマリオ・カンセコ副社長は、次のように述べた。
「我々は、自社の予想に非常に満足している。これは4年前に始まったプロセスで、オンライン・メソッドを用いてカナダとアメリカで23の正しい予測に導いた。」
 世論調査機関は、2012年のアルバータ州議会総選挙でも予想を大きく外しているが、2015年州議会総選挙では予想を的中させた。だが2016年のイギリスEU離脱投票と、アメリカ大統領選では予想を外している。
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