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オリアリー氏、保守党党首選から撤退 [保守党]

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 実業家で人気テレビ司会者のケビン・オリアリー氏は4月26日、保守党党首選からの撤退を唐突に発表し、かわりにマクシム・ベルニエ候補を推薦した。それは、彼が献金を依頼する電子メールを送った3時間後、トロントで開催される最後の討論会の2時間前、そして投票開始の2日前のことであった。
 彼はトロントでの記者会見で、次のように述べた。
「政治的に、自由党はケベックを所有している。ケベックで保守党の支持を発展させることなく、2019年(の総選挙)にトルドーを倒すことは、大きな挑戦である。」
「方法と高い可能性がないと知りながら党首選に勝利するのは、愚かであり、利己的でさえある。ケベックで多くの議席を得る見込みは、低かった。私はケベックで人気がなく、人々もそうと知っていた。」
 そして彼は、ケベックで最も議席を獲れるのはベルニエ氏だと語った。
「連邦議会選挙で、ケベックが何度勝敗を決してきたか見るといい。それはカナダのフロリダだ。それはしばしば国の命運を決してきた。」
「トルドーは追い出さなければならない。そして、彼こそがその代わりにふさわしい人物だ。」
「我々はこの国を、経済を破壊する弱い指導者から取り戻す必要がある。」
「これは私にとって容易な決定ではなかったが、多くの熟考の末の、保守党と国家のための正しいことである。」
「私の政治的DNAと目的が、総選挙の中に残っていて欲しいと思う。私のポリシーを最も忠実に映す候補は、マキシム・ベルニエである。」

 (1) アウトサイダー
 「カナダのトランプ」と呼ばれたオリアリー候補には政治歴がなく、公共の地位に就いたことがないアウトサイダーだった。67人の議員と元議員がエリン・オトゥール候補を推薦するなか、オリアリー候補を推薦した議員は2人だけだった。
 彼はテレビの仕事のためボストンに暮らし、党首選のためカナダに来ることはあっても、引っ越すことはなかった。そして党首選に勝利した場合、カナダに引っ越すかどうかについて回答を拒否した。かつて保守党が総選挙で、自由党のマイケル・イグナティエフ党首が人生の大部分をアメリカで過ごしたことについて、モノポリーに因んで“Just Visiting”(立ち寄っただけ)とからかったことの重大さを、認識していなかった。またケベック市モスク銃撃事件の当日、彼はフロリダの射撃場に行った写真をフェイスブックに掲載し、政治家としての資質を疑問視された。
 党首選の候補者数は多く、どの候補も早い段階で単独過半数を取れそうにない状況だった。そこで当選するには、相当な数の有権者から第2希望や第3希望の票を得る必要があった。しかしオリアリーは強烈な個性ゆえ、強く支持されるいっぽうで強く嫌われたため、それは難しかった。

 (2) きのうの敵は今日の友:突然の変節
 オリアリー候補はベルニエ候補を推薦したが、本命のこの2人は、選挙戦では激しく争った。オリアリー候補はベルニエ候補を党員資格詐欺と票の買収で非難したが、ベルニエ候補はオリアリー候補を「敗者」と吐き捨てた。
「政策を訴えることで人々を味方につける代わりに、彼は党首選を続けるために泥を投げている。ケビン・オリアリーは、敗者である。私が勝者である。」
 オリアリー候補は世論調査では人気があり、党首選を勝ち抜く自信はあった。だが調査は、フランス語を話せない彼がケベック州で12%しか支持率がないことを示し、党首になっても総選挙に勝てないのではないかと心配し始めたという。
 先週末に、オリアリー陣営のマイク・コーツ氏とベルニエ陣営のコリー・テネイック氏が会談した。そして候補どうしは23日に電話で会談すると、オリアリー候補は飛行機でニューヨークからトロントに来て、ベルニエ候補と直接会って話し合った。今後について協定が成立したのは、24日午前1時ころだったという。
 ベルニエ候補は、オリアリー候補との激しい応酬について問われると、こう述べた。
「いい戦いだったが、今我々は一緒にいる。」
 いっぽうオリアリー候補は、次のように語った。
「彼は、党首選の間は批判的だったって?政治の世界へようこそ。リーダーを選ぶまで我々は内戦中であり、それが終われば水銀のように合体する。」

 (3) なぜこの時期なのか
 記者の一人は、保守党は2011年にケベックでわずか5議席だったのに過半数を獲得したと指摘して、保守党の勝利にケベックは必要ないのではないかと問いただした。だがオリアリー候補は、それはケベック連合退潮と新民主党躍進という特殊な状況下のことだと反論した。
 彼がケベックで人気がないのは、かなり以前から言われていたことである。なぜこの時期に、唐突にそれを言い出したのだろうか。
 今回党首選は、従来のように一人ずつ足切りしながら次の投票に進むやり方ではなく、最初の投票に第1候補から全ての順位を記入するやり方なので、投票は一度だけである。ゆえに生放送中のテレビで、選挙戦を辞退し他陣営に票を渡し、その人を勝たせて恩を売るという従来の手法は使えない。辞退は投票の後ではなく、前でなければならない。
 だがオリアリー候補の動向に関係なく、ベルニエ候補の勝利は明白だ。恩を売る相手は、ベルニエでなければならない。しかし世論調査は、オリアリー候補支持者の29%がベルニエ候補を第2希望とすることを示している。それはケリー・リーチ候補の23%、リサ・レイト候補の15%、アンドリュー・シーア候補の11%と比べると多いものの、支持者の71%はベルニエ候補を第2希望としていない。そこでオリアリー候補自身が、ベルニエ候補への推薦を明言する必要が生じる。
 投票用紙はすでに印刷済みで、配布もされている。単に受け付けがまだ始まっていないだけだ。オリアリー候補の名はまだ投票用紙にあり、何人かの党員はまだ彼が候補だと誤解して票を入れたり、また第2希望以下を記入しなかったりするかもしれない。
 オリアリー効果とは何だったのか。テレビの契約を更新するため、自分を宣伝しただけだったのではという疑いすらある。彼のために献金し、また陣営で活動したボランティアこそいい面の皮だろう。
 アンドリュー・シーア候補は、こう語った。
「混乱し失望している、全国のケビン・オリアリー支持者の皆さん、私の陣営に歓迎します。私は、トルドーを破るため我が党に新しい楽観的なトーンをもたらす、本物の保守派です。」
 保守党の新しい党首は、5月27日に選出される。


写真:討論するケビン・オリアリー候補(右)とマクシム・ベルニエ候補(左)。
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