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安楽死幇助法案が成立 [人権]

 カナダ上院は6月17日、安楽死幇助を合法化する法案(C-14号法案)を44対28の賛成多数で可決した。法案はその2時間後、総督の勅裁を得て成立した。
 上院は15日、対象を終末期の患者に限定した条項を削除する修正を64対12(棄権1)で可決し、法案を下院に返付したが、下院は16日にこの修正を拒否し、法案を再び上院に送付していた。上院では、下院を納得させることが難しい現状では、再度修正し下院に返付しても同意を得ることが難しく、完全に廃案にするよりは法の規定がある方がましだという考えが支配的となり、政府案の受け入れに動いた。上院議員の中には、安楽死幇助自体に反対の者や、またより厳格な基準を求めた者もいたが、安楽死幇助の規定がないよりはましだと考え、賛成票を投じた。かくして、対象を「回復の見込みがなく死が予見される状態にあり」かつ「病状が終末期にある」人に限るという条項は、維持された。

 2015年2月6日の「カーター判決」により、安楽死幇助の禁止が違憲であり、1年以内の法制化を要求された。2016年2月6日、最高裁は法制化にさらに4か月の猶予を与えたが、その時点では病状が終末期にない患者にも医師に幇助され安楽死する権利があったと考えられている。だがトルドー政権が上程したC-14号法案は、同意のある成人のみに、不可逆的悪化の段階にあり、死が合理的に予見できる場合に制限されていた。
 無所属のアンドレ・プラット上院議員は、成立した法案には重大な欠陥があると語った。
「病状が終末期になく、かつひどく苦しんでいる患者たちから医師に幇助され死ぬ権利を政府が奪ったことは、重大かつ残酷な誤りであると、私は確信する。だがおそらくそう遠くない将来、裁判所がその誤りを正し、政府はその誤りについて国民に弁明することになるだろう。我々上院は、政府にその誤りを警告でき、いい仕事をしたと思っている。」
 無所属自由党のセルジュ・ジョワイヤル上院議員も、終末期でない患者を除外する条文に異を唱え、安楽死幇助法案の合憲性について連邦政府が裁判所に諮問することを盛り込んだ修正案を作成したが、受け入れられなかった。彼は、終末期の患者に限定した条文が削除されずに成立したら、連邦政府を告訴するとまで語った。彼は自由党下院議員だった1976年、英語だけが航空交通管制官に使用される規則に異を唱え、裁判に訴えて勝訴した過去がある。彼は今後、裁判所に諮問することを州政府に求めると語った。
 無所属自由党のテリー・マーサー上院議員も、連邦政府が最高裁に諮問しないなら、絶望的な病状にある患者は、医師に幇助され安楽死する権利があるかどうかを裁判所に求めることで「地獄(筆者注※“hell”はswearwordにあたり、滅多に口にしない)を通り抜ける」ことになり、破産へと向かうことになるだろうと警告した。
 保守党のクロード・カリニャン上院幹事長も、苦痛でひどく苦しんでいる患者に長期間かつ高額の法廷闘争を強いることは「人道に反している」と批判した。
「明らかに、この法案には問題がある。」

 だがジョディ・ウィルソン=レイボールド法務大臣は、法案を最高裁に諮問することを頑なに拒否した。そして16日にジェーン・フィルポット厚生大臣との共同声明において、C-14号法案の合憲性を強調した。
「法案は、医師に幇助され死ぬことを希望する人々の権利と、社会的弱者を保護することの適切なバランスが保たれている。」
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