「セメンヤ選手はメダルに値する」ストライクの孫語る [スポーツ]
陸上世界選手権の女子800メートルで金メダルを獲得したキャスター・セメンヤ選手が、両性具有だったという報道が世界を駆け巡った。彼女のメダルが剥奪されるかも知れないというニュースに、オタワに住むチェリル・モリスさんは怒りを覚えた。それはまさに、彼女の祖母に起こった事件の再来であった。 彼女の祖母ヒルダ・ストライクは、1932年のロサンゼルス・オリンピックで、陸上女子100メートルに出場した。彼女はポーランドのステラ・ウォルシュと同タイムの11秒9を記録したが、審判はウォルシュを金メダル、ストライクを銀メダルと判定した。
ステラ・ウォルシュは「スタニスラワ・ワラシェビッチ」としてポーランドに生まれ、2歳でアメリカに移住したが、なかなかアメリカ市民権を得ることができず、生涯ポーランド代表として競技した。彼女は同日の円盤投で6位、1936年のベルリン・オリンピックにも女子100メートルで銀メダルを獲得するなど、40歳までに数々の競技で勝利を収めてきた。
ウォルシュは1980年、ポーランドの女子バスケットボール・チームのためにリボンを買いに入った店で、強盗に撃たれて死亡した。ところが検死の結果、彼女は小さなペニスを持つ両性具有であることが判明した。オリンピックでは1968年まで、セックス・チェックは行われていなかったのである。
この事実が公表されると、彼女の女子選手としての記録は抹消されるべきかという一大論争がまき起こった。ストライクの孫たちは、祖母に金メダルを与えるべきだというロビー活動を始めた。国際陸上競技連盟(IAAF)は、この訴えを認めた。
だがオタワの老人ホームで暮らすストライクは、金メダルを拒否した。彼女は沈黙を守ったまま、78歳でこの世を去った。
ヤード・レースは今日あまり見られなくなったが、ウォルシュが残した女子100ヤードの記録は今も、世界記録のまま残っている。
写真:ヒルダ・ストライク(右)とステラ・ウォルシュ(左)。ロサンゼルス・オリンピックで。







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