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アルバータ進歩保守党党首にケニー前国防相、保守合同に向け始動 [アルバータ]

 アルバータ進歩保守党は3月18日に党首選を行い、ジェイソン・ケニー前国防大臣が当選した。
 今回党首選は1985年以降で初めて、党員による直接選挙ではなく、代議員を選出する間接選挙となった。アルバータ州の87選挙区から15人ずつの代議員を選出するほか、前州議や党重役も代議員となり、総数1476票のうちケニー氏1113票、リチャード・スターク前観光・公園・余暇大臣323票、バイロン・ネルソン氏40票という結果で、1回目の投票で過半数に達し決着した。スターク候補とネルソン候補は、右翼の改革党出身のケニー氏による「進歩保守党乗っ取り」を警戒し、進歩保守党の伝統的な中道右派路線の維持を訴え、保守合同を否定し党改革を主張したが、大差で敗れた。
 当選したケニー新党首は、支持者に向けて演説した。
「今日は、この壊滅的な社会主義政権の終わりの始まりである。あなたたちは決めた、私たちは決めた、この増税の、雇用減らしの、借金好きで、意地悪な、役立たずの新民主党政権の敗北を確実にすることを。我々アルバータ州民は、我々の州を取り戻すために団結しつつある。」
 ケニー新党首は州議会に議席を持っていないが、自党の議員に辞職することは要請しないという。欠員が出るのを待って、補選に出馬するのだろう。

 ケニー新党首にとっては、党首選勝利は長い道中の一里塚でしかなく、これから本格的に公約の保守合同に向けて動き出すことになる。早速20日朝には進歩保守党幹部会でミーティング、昼からはワイルドローズ党のブライアン・ジーン党首と会談する。
 ケニー氏との会談について、キャサリン・オニール党理事長はうまく行ったと語ったが、トロイ・ウェイソン事務局長は辞表を提出すると発表した。これについてオニール理事長は、党重役の皆が保守合同に賛成しているわけではないと説明した。
 ケニー新党首は、この春のうちにワイルドローズ党との交渉を済ませ、初夏には党員による投票で承認され、11月までに結党大会を開催するというロードマップを明かした。
 だがジーン党首の構想は、同床異夢である。彼はあくまでも、ワイルドローズ党の枠組みの下で進歩保守党を吸収合併することしか考えていない。ワイルドローズ党はすでに「アルバータ保守党(The Conservative Party of Alberta)」という名称を登録し、自党の同意なしにはこの名称を使えないようにしている。
 アルバータ進歩保守党の元州議で、現在はカナダ保守党の下院議員を務めるロン・リーパート氏は、次の総選挙になってもまだケニー氏が進歩保守党党首のままでいることは大いにありえると語った。
「たとえば、ワイルドローズ党の党員が承認しないケースが考えられる。どちらか一方の党が、新民主党政権への現実的代替としての地位を失ったら、彼らはもはや政権奪回のため小異を捨てて大同につく意義を感じなくなるだろう。」
 なおアルバータの現行法では、政党は合併することができないため、2つの党は解党して新党結成しなければならない。
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ケベック連合党首にウェレ [ケベック]

 ケベック連合(BQ)の次期党首に、マルティーヌ・ウェレ州議(47歳)が就任することが確実となった。
 ケベック連合は2015年の連邦議会選挙で敗北し、ジル・デュセップ党首(当時)は自身も落選したため辞任した。党首選が今年3月に実施される予定になっていたが、14日の締切までに立候補者がウェレ氏一人しかいなかったため、無投票での当選が決まった。立候補を表明していた教師のフェリ・ピネル氏は、必要な数の推薦人を集めることができず、断念した。彼女は18日、正式に党首に就任する。
 党首就任が確実になると、彼女はケベック州会議事堂で語った。
「ケベック連合は(絶滅した)恐竜ではなく、不死鳥である。」
 彼女はマギル大学で機械工学を学び、ケベック電力公社で技師として勤めた。10代のころからケベック党(PQ)員として活動し、ポリーヌ・マロワ党首に見出され、2010年州議会補選に当選して政界に入った。そしてケベック党が2012年に政権を奪回すると、マロワ首相は彼女を天然資源大臣に任命した。
 ケベック党が2014年に政権を失い、マロワ党首が辞任すると、翌年党首選が実施され、ウェレ氏は立候補したがペラドー氏に敗れた。ペラドー党首も2016年に辞任し、再び党首選が実施され、彼女は再度立候補したが、リゼ氏に敗れた。
 ウェレ氏は今後、ケベック党幹部会を離脱し、無所属のケベック州議として任期いっぱいまで務め、同時に連邦議会に議席を持つケベック連合党首として二足の草鞋を履くことになる。当面は月曜は連邦議会のあるオタワで過ごし、火曜から木曜までは州議会のあるケベック市に滞在し、金曜から日曜まではバション選挙区で過ごすという。ケベック未来連合のフランソワ・ルゴー党首は、ウェレ氏は連邦政党党首か地方議会の議員か、どちらかに決めるべきだと語った。
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 彼女がケベック党党首選に出馬したとき、ケベック党政権が成立したら1期目で独立を問う住民投票を行うと公約した。だが当選したリゼ現党首は、ケベック党政権になっても2022年まで住民投票は行わないと公約しており、ウェレ次期党首はリゼ党首の意向を尊重すると語った。
 ウェレ氏は独立に前向きだが、環境問題にも熱心である。彼女はその点において、ケベック在住アングロフォンから支持を得られると期待している。
「ケベックが、地球温暖化とポスト京都議定書の世界的リーダーになりえることに、大多数のアングロフォンが同意すると私は考えている。だがそうなるためには、我々が独立国である必要がある。」


図:オタワとケベックを股にかけるマルティーヌ・ウェレ次期党首。転落しそうだ。
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チャンネル桜「カナダの日系人向けフリーペーパーの実態」で「ふれいざー」を紹介

 2017年2月17日、チャンネル桜で放送された「カナダの日系人向けフリーペーパーの実態/タイプ別・こじらせ日本人 in 海外」という番組で、「ふれいざー」等が紹介されている。
http://www.nicovideo.jp/watch/1487314483
 番組を見た視聴者は誤解するかもしれないが、海外日本語誌の全てが左翼系というわけではない。紹介された「ふれいざー」「バンクーバー新報」「Bulletin」が左翼系だというだけのことだ。
 バンクーバーの隣バーナビー市の慰安婦像建立に関しては、「ふれいざー」「バンクーバー新報」ら左翼系メディアが団結して反対に回ったのに対し、乗松聡子氏・鹿毛達雄氏ら極左は賛成に回った。

 「バンクーバー九条の会」は、番組でも名前を挙げられている「ふれいざー」編集長の宮坂まりが発起人となって設立されたものである。だが彼女は犯罪常習者であり、有印私文書偽造ならびに行使、脅迫、著作権侵害、名誉毀損、誣告、犯罪教唆などを行い、2005年に栃木刑務所に服役している。
 彼女は、私が「ふれいざー」で連載した内容を、私の許可なく勝手に自作品として出版しただけでなく、カ○ダ学会の会員に売りつけ、学会誌に掲載までして回収騒ぎも起こしている。さらに、新聞の私の名前を自分の名前に差し替えた偽新聞を作り、私の自宅周辺や勤務先などに15年以上も配布し続けた。
 彼女は上智大学の学部と修士課程を出ているが、学会に与えた損害を支払わなかった。そこで学会が学士論文と修士論文を精査したところ、盗用が見つかったため学士と修士の学位を没収された。また偏差値55程度の武蔵丘高校出身であることから、間違いなく裏口入学だとカナ○学会から聞いている。
 このような数々の悪事と、インターネット掲示板で韓国人への差別発言や左翼を嘲笑する発言を書いていたことを裁判で暴露され、精神鑑定の結果パーソナリティ障害と認定された彼女は「バンクーバー九条の会」を除名されているのだが、チャンネル桜はこれらの事情を知らなかったようだ。

 「ピース・フィロソフィーセンター」ホームページが、私のブログにリンクを貼っていることは知っている。私は自身を「中道やや左寄り」と認識しており、そのサイトと私の意見は必ずしも同じではないが、そのサイトを危険だとは思わないし、宣伝になるので放置している。私は乗松聡子氏・鹿毛達雄氏とは面識はない。
 私見では、第一に、慰安婦問題はカナダには関係ない、第二に、事実関係はともかく他者への憎悪を植えつけるようなやり方は好ましくない、第三に、軍備の放棄はともかく国際紛争を解決する手段としての武力行使放棄と平和主義は維持していくべきである、第四に、犯罪常習者が「憲法守れ」などとは噴飯ものである、と考えている。番組は「カナダの日本語誌が反日的だ」と言いたいのだろうが、彼らはそれ以前に反社会的である。
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刑法の「ゾンビ条項」削除へ [犯罪・事件]

 ジョディ・ウィルソン=レイボールド法務大臣は3月8日、裁判所で無効と判断されたにもかかわらず刑法に残っている「ゾンビ条項」を整理する意向を述べた。
 大臣は連邦議会議事堂での記者会見で、死文化しているいくつかの条項のうち、妊娠中絶の禁止を強調したため、かつての中絶論争を蒸し返すつもりかと問われたが、その意図はなく、この日が国際女性デーだったからと答えた。
 アルバータ大学で法学を教えるピーター・サンコフ教授も、指摘する。
「六法全書を開くと、刑法のあちこちに30から50個の死文が、まだ存在する。我々が要請しているにもかかわらず、議会は一向に削除に手が回らない。」
 1892年に制定された刑法は、1950年代と70年代に大きな改正があっただけで、今も通用している。刑法のゾンビ条項はほかに、誤ったニュースの伝播、魔法を使えると偽装する行為、夜間の水上スキー、放浪、決闘、犯罪コミック、商品引換えスタンプの発行などの禁止が残っている。政府は2016年11月、18歳未満もしくは3人以上のアナルセックスを禁止する条項を削除する法案を提出したばかりである。
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●マッキャン夫妻殺害事件
 2010年にマッキャン夫妻が消息を絶った事件は、遺体が発見されていないにもかかわらず夫妻の死亡が宣告された。2016年の公判でデニー・トーマス判事は、刑法第230条を適用し、トラビス・ベイダー被告に謀殺罪(murder)で有罪と宣告した。
 この判決は、ただちに法学者たちに批判された。というのはこの条項は、1990年のマクリーン夫妻殺害事件の公判で違憲と判断されたゾンビ条項だったからである。第230条は「建設的殺人条項」と言われ、被害者の死を意図していたかどうか、また死に至ることを知っていたかどうかに拘らず、大逆罪、反逆罪、破壊活動、海賊行為、ハイジャック、刑務所あるいは合法的親権者からの脱出または救出、保安官襲撃、性的暴行、誘拐・監禁、人質拘束、強盗、家宅侵入、放火を遂行あるいは遂行しようとするとき、過失で人を死に至らしめた場合は謀殺罪(murder)とすると規定し、(a)では、(i)犯罪遂行を容易にするため、または(ii)犯罪遂行後に逃亡を容易にするため、被害者の身体に危害を加え、それが原因で死に至らしめた場合と定めている。
 トーマス判事は10月、判決を覆し、過失致死罪(manslaughter)で有罪と宣告した。

●マクリーン夫妻殺害事件
 1985年にマクリーン夫妻が自宅で殺害された事件で、17歳のパトリック・トランブレー被告と15歳のロデリック・ラッセル・マーティノー被告が起訴された。
 トランブレー被告は盗みを働くつもりで、銃を持ってはいたが殺す意図はなく、被害者に顔を見られたため射殺したと主張した。ところがマーティノー被告は、マスクで顔を覆っていたので殺す必要はなかったと供述した。二人の主張は食い違っていたが、殺す意図がなかった点では一致していた。二人は1987年、謀殺罪(murder)で有罪と宣告された。
 だがマーティノー被告は、刑法第230条(a)(当時は第213条(a))は1982年憲法第7条および第11条(d)に反するとして、控訴した。そして連邦最高裁は1990年、被告に殺意がなかったという合理的疑いを超えて検察が殺意を証明しないかぎり謀殺罪は適用できないとして、刑法第230条(a)を違憲につき無効と判断した。マーティノー被告は、過失致死罪(manslaughter)で有罪と宣告された。


写真左:犯罪コミック。
写真右:商品引換えスタンプ。
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遺伝子差別禁止法が成立 [人権]

 遺伝子差別を禁止するS-201号法案が、3月8日下院で採決され、222対60の大差で可決された。法案は近日中に、総督の勅裁を得て成立する。
 S-201号法案は、カナダ人権法で保護する対象として遺伝子の特徴を追加し、あらゆる契約・合意の条件として遺伝子検査を求めたり、その結果を開示することを禁止し、罰則として5年以下の禁固または100万ドル以下の罰金を定めている。
 保険業界の陳情を受け、自由党政権はこの法案に反対し、これを骨抜きにする修正案を提出した。大臣全員と政務次官のほとんどは修正案に賛成投票し、かつ法案に反対投票したが、党議拘束がなかったため、自由党平議員のうち4人を除く全員が党首脳に造反し、野党の保守党・新民主党と連携して修正案を218対59で葬り、返す刀で法案を可決させた。

 採決を受けて、カナダ生命・健康保険組合の広報ウェンディ・ホープ氏は声明を発表した。
「カナダ生命・健康保険組合は、S-201号法案が大きな修正なしに本日下院を通過したことに、大いに失望している。いくつかの州と首相と法務大臣によって表明された、法案の主要な要素が違憲であるという見解に、当組合は同意するものである。」
 ジョディ・ウィルソン=レイボールド法務大臣は、法案は保険事業を管轄する州の権限に抵触すると考えたため、州や憲法学者に何度も諮問し、違憲立法の言質を取ろうと試みたが、うまくいかなかった。また自由党政権は、保険契約の除外を企図し、カナダ人権法の禁止条項に遺伝子の特徴を追加する条文以外を削除する修正案を提出した。それは、法案が人口の6%程度にあたる連邦政府職員だけに適用されることを意味するものだったが、8日夕方に超党派によって否決された。
 トルドー首相は、採決の直前に下院で演説した。
「政府は、上程された法案の要素の一つが違憲であるという立場に立っている。政府の立場は法案に反対投票することであり、議員たちにもそのように推奨する。」
 法案を支援してきたロブ・オライファント議員(自由党)は、カナダがG7で唯一遺伝子差別禁止法を持たなかったことについて、この法案はカナダの州と準州が十数年間実現できなかったことへの、連邦の適切な対応であると誇った。
「私は、あらゆる州と準州による補完的な立法を歓迎する。本心だ。私は、そうするなとは言わない。あらゆる州と準州の人権法を改正するがいい。我々には想定内だ。だが我々には、それを上回る連邦政府の権限がある。」
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 この日は国際女性デーで、市民団体「平等の声」は下院本会議場に、338の全選挙区から選ばれた338人の18歳から23歳までの女性を送り込んだ。彼女たちは、党派を超えてS-201号法案を可決したことに拍手を惜しまなかった。
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遺伝子差別禁止法案の修正案が否決 [人権]

 遺伝子差別を禁止するS-201号法案の修正案が、3月7日下院で採決され、超党派の反対で否決された。
 この法案はもともと、あらゆる契約・合意の条件として遺伝子検査あるいはその結果の開示を求めることを違法とし、罰則として5年以下の禁固または100万ドル以下の罰金を定めたものである。
 カナダは公営無料医療・国民皆保険が実施されているにもかかわらず、G7で唯一遺伝子差別を禁止する規定がない。それゆえ多くのカナダ人が、結果を悪用されることを恐れ、検査を受けようとしない。その結果、ある種の病気の罹りやすさやを知り、それを予防することができない。
 2015年の総選挙では、自由党・保守党・新民主党の三大政党全てが、遺伝子差別禁止の法制化を公約した。S-201号法案は、「無所属自由党」のジム・カウアン上院議員(当時、現在は引退)が2015年12月に上程した個人法案(※党幹部会で採択されず、党議拘束がない)で、2016年4月に上院で可決され、12月に下院法務委員会を満場一致で通過した。ところが保険業界が激しいロビー活動を行った結果、自由党政権は法案の換骨堕胎を図るようになり、2月以降いくつかの修正案が出されることになった。7日に採決された修正案は、自由党のランディ・ボワソノール議員によって提出されたもので、雇用者が就職希望者に遺伝子検査を受けさせることの禁止と罰則規定を削除するものだったが、党議拘束のない自由投票で、自由党から大量の造反者が出たため、保守党と新民主党の反対で否決された。

 カナダ生命・健康保険組合は、S-201号法案が修正なしに成立すれば、保険料の高騰と保険金の削減につながると警告し、保険契約を除外するよう強く訴え、これまでに73回もの陳情を行っている。同組合は今年1月、保険契約者の85%にあたる、保険金25万ドル以下の契約においては遺伝子検査の結果通知を要求しないというガイドラインを定め、2018年1月1日から実施することを決めていたことを強調した。
「25万ドルの上限設置は、遺伝子検査を通して重要な健康リスクを知った顧客が、これを通知することなく異常に巨額の生命保険契約を申し込むことができないようにするものだ。さもないと、契約者全員の保険料が高騰し、保険金を得る人は少なくなる。」
 だがカウアン元議員は、遺伝子差別が法で禁止されているアメリカ・イギリス・フランス・イスラエルにおいて、巨額の保険金詐欺が起きていない事実を指摘した。
「知っての通り、彼らの論点は、法案が保険業界を壊滅させるというものだ。だが同様の保護法のある国々で、そんなことが起きただろうか。我々が知る限り、保険業界はうまく行っている。」
 自由党のロブ・オライファント下院議員は、引退したカウアン元議員に代わり、S-201号法案の支援者となった。
「カナダにおいて、人権問題を大企業の自主規制に任せるわけにはいかない。」
「子供たちの遺伝子検査を、医師が行いたいのに、将来の差別を恐れて親が拒否することが毎月のようにある。これは特定の病気に対処する医師への足枷であり、最善の治療を受ける子供への足枷である。それは、親がするべき決断ではない。」

 いっぽうジョディ・ウィルソン=レイボールド法務大臣は、連邦議会による法制定は州の権限を侵害するおそれがあると考え、諸州に手紙を送り、意見を求めた。するとマニトバ・ケベック・ブリティッシュコロンビアの3州が、全ての州の意見を聞きたいので法案は保留にしてほしいと回答した。ところが、法務委員会に召致された4人の憲法学者のうち3人が、法案は違憲ではないと答申した。そこでウィルソン=レイボールド法務大臣は、別の憲法学者の意見をさらに求めたが、反応はなかったという。新民主党のドン・デービス下院議員は、自由党政権が始めた憲法問題について「煙幕以外の何ものでもない」と吐き捨てた。またカウアン元議員は、自由党政権が総選挙で公約したにもかかわらず反対していることを「興味深い」と語った。

 政府の依頼により、もう一つの修正案が3月8日に投票にかけられる。この日は奇しくも、国際女性デーである。
 BRCA遺伝子に異常がある女性は、乳癌になる確率が85%、卵巣癌になる確率が60%とされている。異常のない女性では、それぞれ11.7%と1.4%である。特にヨーロッパ系ユダヤ人(アシュケナージ)の女性は、BRCA遺伝子に異常を持つ人がそうでない人の10倍いるとされている。こうして発癌リスクの高い女性は、職場で昇進する芽を摘まれるかもしれない。また、悪い遺伝子を持っている可能性とその開示を強要されるリスクを回避するため、遺伝子検査を回避し、その結果早期の治療を受ける機会を逃すことがあり得る。
 遺伝子差別を禁止するのは、女性に利するところが多いだろう。法案の骨子を骨抜きにする修正案は、おそらく超党派の反対で否決されることだろう。
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「日本deカナダ史」アクセストップ10

1.カルガリー事件の藤井受刑者、国外追放に  18248件
2.夜行バス車内で殺人、首を切断  14901件
3.ウィリアムズ空軍大佐の秘密が明るみに  12094件
4.スカボロー・レイピスト  11983件
5.ナイアガラ滝に日本人女性が転落  9785件
6.アブリル・ラビーン、夫ウィブリーと破局  7845件
7.プロジェリアのアシュリー死去  7719件
8.元力士・レスラーのジョン・テンタ(琴天山)死去  6445件
9.グレイハウンド首切り殺人、被告に無罪  6342件
10.「史上最悪のカナダ人」にトルドー元首相  6284件
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宗教差別非難動議、「イスラモフォビア」の語が物議 [人権]

 連邦議会は2月15日、人種差別・宗教差別を非難する103号動議(M-103)の審議に入ったが、その文中に「イスラモフォビア」(イスラム嫌悪)の文言があることが議論の的になっている。
 この動議は2016年12月、自由党のイクラ・カリッド議員(オンタリオ州ミシサウガ-エリン・ミルズ選挙区選出)によって提出されたもので、ケベック市モスク銃撃事件を受けて審議されることになった。
 カリッド議員はパキスタン生まれのイスラム教徒だが、1990年代にカナダに移住したとき、近所の子供たちに「ムスリムは帰れ」と言われ心を痛めたという。

 だが問題は、「政府はイスラモフォビアとあらゆる形式の構造的な人種差別および宗教差別を非難し」とあることである。
 ナショナル・ポスト紙のコラムニスト、バーバラ・ケイ氏は、表現の自由への影響と、一宗教団体への特別扱いに懸念を表明した。彼女は政府の統計を引用し、2013年に起きたヘイトクライム326件のうち、イスラム教徒に対するものは65件で、ユダヤ教徒に対するもの181件の方が多かった事実を指摘した。また、イスラム法を批判した彼女のコラムのいくつかがイスラモフォビアと見なされ、カナダ刑法で罰せられるのみならず、イスラム教批判を萎縮させた結果、報復や女性迫害を含むシャリア法が事実上カナダに導入されることにもなりかねないと警告した。

 保守党内は、動議に批判的な意見が多い。保守党党首選に出馬しているピエール・ルミュー議員は、103号動議は「言論の自由への攻撃」であり、「一宗教への特別な保護を提唱する」と批判する手紙を支持者に送った。
 同じく保守党党首選に出馬しているケリー・リーチ元労働大臣も、動議に反対するとツイッターで述べた。
「言論の自由は、基本的なカナダの価値である。イスラム教、キリスト教、ユダヤ教、ヒンズー教、無神論、その他いかなる信仰であろうと、それを信じまた批判する権利があることを、我々は再確認しなければならない。」
 同じく保守党党首選に出馬しているリサ・レイト前運輸大臣も、不支持を表明した。
「103号動議は、論争の的となり適切とは思えない『イスラモフォビア』の文言に焦点を当てている。それゆえわたしは、これを支持しない。」
 同じく保守党党首選に出馬しているマクシム・ベルニエ元外務大臣は、「イスラモフォビア」の語が削除されないかぎり反対するとフェイスブックで述べた。
「この動議は、イスラム教を批判する我々の権利を制限する第一歩だろうか?」
 同じく保守党党首選に出馬しているエリン・オトゥール前退役軍人大臣も、「イスラモフォビア」の文言に危機感を抱き、その文言を含まない同様の「e-411号請願」を発表して、7万人のカナダ人の署名を集めた。彼はカリッド議員に、論争を巻き起こしている103号動議を取り下げ、e-411号請願に加わるよう呼びかけた。
「『イスラモフォビア』の文言が拡大解釈され、イスラム教あるいはその過激派に対する純粋な批判がイスラモフォビアとみなされると、相当な数のカナダ人が考えていることは明白だ。」
「私たちは良い話し合いの機会を持った。そして彼女は、私の提案を考慮すると言った。」
 同じく保守党党首選に出馬しているマイケル・チョン元政府間関係大臣は、下院がすでにユダヤ教・ヤジディ教・コプト教など他宗教への憎悪を非難したことを評価し、条件付きではあるが103号動議への支持を表明した。彼は、言論の自由に対するより大きな脅威は、あらゆる定義可能な集団に対する憎悪の表明を犯罪と規定した刑法第319条であると述べ、その廃止を主張した。彼は、不快な意見でさえ公共の場で議論され、自由な言論の「消毒剤」で反論されるべきであり、民主主義社会において言論の自由を制限するバーは非常に高いものでなければならないと、CBCニュースで訴えた。
「ヘイトスピーチに対抗する正しい方法は自由な言論であり、刑法ではない。」
「刑法第319条は、危害があまりに広く解釈されている。しかも第319条は、議論を萎縮させ、問題を地下に潜行させることになる。」
 ロナ・アンブローズ暫定党首は、修正されないかぎり動議を支持しないと述べた。だが具体的にどのような修正を求めているかについては、明言しなかった。
 保守党は16日、「あらゆる形式の構造的な人種差別、宗教上の非寛容、そしてイスラム教徒・ユダヤ教徒・キリスト教徒・シーク教徒・ヒンズー教徒およびその他の宗教コミュニティへの差別を非難する」という内容の新たな動議を提出した。だが自由党は、それは103号動議を水で薄めたようなものだとして反対することを決めた。アンブローズ暫定党首は、これを「党派ゲーム」だと非難した。

 トルドー首相は、イスラム教が一般に女性に抑圧的であることに鑑み、フェミニストである自身の信条と動議はどのように整合するのかと問われ、憲法に規定された個人の権利は、社会において他者の権利と調和していなければならないと回答した。
「混雑した映画館で『火事だ!』と叫ぶ権利はなく、それを言論の自由とは言わない。それは人々を危険にさらすことになる。そして我々が10日前にケベック市で見たように、我々の社会を危険にさらすほかのものがある。我々はそれに対し、強く立ち向かう必要がある。」

 103号動議は拘束力のない動議であるにもかかわらず、インターネット上ではこれを法案と勘違いして、過敏に反応する人々が続出した。中には、動議がただちにイスラモフォビアの非合法化や、シャリア法の導入を意味するものと誤解する者もいた。
 動議には、73のムスリム団体やその他の団体が支持を表明しているが、もちろん全ての団体が支持しているわけではない。イスラエル・ユダヤ問題センターのシモン・フォーゲル会長は、宗教への憎悪を非難するという本来の意図を実現するため、「イスラモフォビア」の文言を削除するようカリッド議員に申し入れている。
「そのような提案が、意図された目的にかない、誠実で合法的な市民の会話を抑制する別の意図に乗っ取られないことが、不可欠である。」
「イスラム教への全ての批判は、イスラモフォビアか?もちろんそうではない。ユダヤ人コミュニティは、四面楚歌だと感じているムスリム・コミュニティへの支援と連帯を望んでいるが、カナダの価値とは相容れないだけでないイスラム教の性質に関する建設的議論を、犠牲にしてまで替えることはできない。」
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日本製ラブドールを輸入し「児童ポルノ」で起訴 [犯罪・事件]

 日本製ラブドールを輸入して起訴された男の公判が、2月14日に始まる。
 ニューファンドランド&ラブラドル州セントジョンズに住むケニス・ハリソン氏は、ハルミデザインズの通信販売で2013年、少女をかたどったラブドールを注文した。そしてラブドールがトロントの国際郵便センターに到着すると、警察に通報された。ハルミデザインズとその親会社SIMAインターナショナル社は、カナダ税関の要注意リストに挙げられていたからである。ハリソン氏は箱の中身を一度も見ることなく、3月に逮捕された。
 警察によると箱の中身は、フォームラバーで作られた思春期前の少女の人形で、身長約130センチで膣があり、女学生の制服を着ていて、下着と潤滑油が付属していた。ハリソン氏は、児童ポルノ所持・猥褻物郵送・密輸の容疑で起訴された。

 カナダに詳しい日本人を見ることは稀だが、カナダが「仮想児童ポルノ」を禁止していることは日本の好事家に広く知られている。2005年、児童ポルノに該当する日本のアニメを輸入した男性が有罪判決を受けたことで、被害者の存在しない非実在の児童ポルノが刑事罰の対象であることが知れ渡った。児童ポルノの製造・販売・所持が禁止されたのは1993年で、2002年にはインターネット上での児童ポルノの公開とアクセスが禁止されている。
 カナダ刑法における児童ポルノの解釈は、驚くほど広い。刑法第163.1条第1項は、次のように定義する。
(1)本項でいう「児童ポルノ」とは、
(a)電磁的あるいは機械的に作成されたか否かにかかわらず、写真・フィルム・動画あるいはその他の視覚的表示による、
(i)18歳未満であるか18歳未満と表示された人物が、合意であるいは合意があるものと表示されたうえでの露骨な性行動を示すか、もしくは、
(ii)描写の主体が、18歳未満の人物の性器あるいは肛門による性的な目的で、
(b)いかなる書面、視覚的表現あるいは音声記録においても、18歳未満の人物に性行動を行うよう主導あるいは助言する行為は、違法となる
(c)いかなる書面上であれ、描写の主体が18歳未満の人物の性行動であるものは、違法となる
(d)いかなる音声記録であれ、18歳未満の人物の性行動の上映・表示を描写の主体とするものは、違法となる。

 連邦警察を退職したビル・マーロン元警視は、問題のラブドールを見ていないが、警察官として26年勤め、何千もの児童ポルノ画像について捜査してきた経験から、本件は児童ポルノ事件に該当すると確信している。
「私が書類や新聞で人形についての説明を読むと、これは児童ポルノだと確信する。」
 彼は、ラブドールが単に児童ポルノであるのみにとどまらず、それが児童に対する実際の性的虐待につながることを強く懸念する。
「目新しさが次第になくなると、彼らが犠牲者を探しに通りに出ることを、心配する。」
 警察からラブドールの写真を送られた、トロント大学で精神病理学を教えるピーター・コリンズ准教授は、次のような見解を述べた。
「ラブドールを注文する人はおそらく、思春期前の少女にエロチックな魅力を抱いている。臨床的に、これらの男性の多くは、小児性愛と診断される基準を満たす。」
「私の専門的見解において、ラブドールの所有は、性的な対象として児童を見ることの別の形態であり、したがって児童ポルノの基準を満たす。」
 だがトロントの臨床心理士ジェームズ・カンター医師は、異なる見解を示した。
「実際の児童ポルノは、犯されている犯罪そのものである。だが児童ラブドールのケースは、そうではない。そこには実在の人物がいない。それはラテックスの塊である。被害者がいないのなら、どこに犯された被害があるというのか?」
 カンター医師は、児童ラブドールがゲートウェイ・ドラッグ(ソフトドラッグを経験することがハードドラッグに入るきっかけとなること)の役割を果たすことを示す根拠はなく、むしろ小児性愛者が児童への性犯罪に走るのを抑止できると主張した。そして小児性愛は性質であって犯罪ではないし、感情は行動に移されないかぎり犯罪行為にはならいことを強調した。
「何かを禁止することがより大きな社会的利益をもたらすという特段の証拠を得るまで、私は言論の自由を支持する。」
「危害があるという証拠が出ないかぎり、ラブドールはカナダで合法であるべきだ。」
 アメリカで「高潔な小児性愛者」というウェブサイトを公開しているイーサン氏(もちろん仮名)は、カナダの法律はこの方面では過度に厳しいと語った。
「たとえば、18歳未満のセックスを描写しているフィクションの物語は、違法である。これは、表現の自由に対する重大な侵害である。」
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【世論調査】カナダ人は意外と移民に非寛容? [人権]

 トロント大学で政治学を教えるマイケル・ドネリー教授による最近の研究は、カナダ人が彼らが思うほど移民や難民に寛容ではないことを示すとともに、カナダにおいて反移民感情が増加する可能性があると結論づけた。
 論文は「カナダ例外主義:我々は善良かそれとも幸運か」というタイトルで、イプソス社が1月18日から27日までの間に1522人のカナダ人を対象に実施したオンライン世論調査に基づいている。調査は、トランプ大統領によるイスラム7か国民入国禁止令や、ケベック市モスク銃撃事件より前に、英語またはフランス語で行われた。

 被験者の約3分の1は、移民を誘致するにあたりイスラム教徒は差別すべきだと回答し、3分の1は白人の移民を有色人種に優先すべきだと回答した。
 被験者の半数は「多くの移民たちはカナダの社会に溶け込んでいるように見えない」、被験者の65%は「移民はよりカナダ人らしくなるため習慣を改めるべきだ」と回答した。
 移民の受け入れを終了することには、被験者の20%が賛成し、45%が反対し、35%は賛成も反対もしないと回答した。
 これについてドネリー教授は、「これらの結果は、深刻な反移民運動がカナダで決して不可能ではないことを示唆する」と語った。
 彼はまた、2010年の調査でアメリカ人の43%が国境閉鎖に反対だと回答したにもかかわらず、トランプ氏が大統領に当選した事実に注目した。各種世論調査は、トランプ氏に投票した人々は経済よりも移民やテロ問題に関心を抱いていたことを示した。だが彼は、移民が政治で重要な争点になったことはカナダではほとんどなかったと述べた。
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トルドー政権、選挙制度改革を断念 [自由党]

 カリーナ・グールド民主機構大臣は2月1日、選挙制度改革を断念すると発表した。
 政府筋によると、1月にカルガリーで行われた閣議で、すでに断念することが決まっていた。反対した閣僚は1人しかいなかったという。
 トルドー首相は今週、下院でこう述べた。
「率直に言って、賛否のある国民投票をこの時期に実施するのは、過激派の発言力を拡大することになり、カナダのためになることではない。」
 首相は、選挙制度改革特別委員会が推奨する比例代表制は、小党乱立や多数安定政権の抑止、また連立政権の常態化につながりやすいことや、小勢力が議会へ進出する道を開くことになり、その結果地域政党や白人優位主義・国粋主義・ポピュリズムのオルタナ右翼の発言力を拡大することを懸念していた。

 2015年の総選挙時、野党第2党だった自由党は選挙制度改革を公約したが、どのような制度を導入するかを明言せず、単に比例代表制・優先順位付き連記投票・投票の義務化・オンライン投票などについて検討する超党派委員会を設置すると述べるだけであった。
o-MARYAM-MONSEF-facebook.jpg だがいざ委員会が設置されると、新民主党は比例代表制を主張した。緑の党は小選挙区比例代表併用制の支持を決めるとともに、ギャラガー指標(※得票と議席の反比例度を示す。数値が大きいほど両者が乖離していることを示す)が5以下のいかなる比例代表制も支持すると主張した。保守党は現行の「勝者総取り」小選挙区制を支持したが、いかなる改革でも国民投票で有権者に諮問すべきだと主張した。野党の主張は当初バラバラだったが、秋には保守党・新民主党・ケベック連合・緑の党の全野党は比例代表制を支持することで合意した。
 だが自由党政権は、ひとたび国民投票を実施すれば、論争がほかの問題に拡大することを恐れた。ケベック独立を問うた1995年の住民投票騒ぎを皆が覚えていたし、今回の投票が将来あるかもしれない再度の独立を問う住民投票の先例にされるのも、好ましくなかった。
「50%プラス1票あれば十分なのか」「有権者の3分の2の同意があれば、1州が反対しても強制できるか」
 あのような騒動を繰り返したいとは、誰も思わなかった。それで自由党政権は、「現行制度による選挙は2015年が最後」という公約を盾に、(時間のかかる)国民投票は不要だと繰り返した。モンセフ民主機構大臣(当時)も「国民投票は容易に癒えることのない深い亀裂を社会に生じる」と警告した。カナダ史上において禁酒法(1898年)、徴兵制(1942年)、憲法改正に関するシャーロットタウン協定(1992年)の3度国民投票が実施されたが、いずれも結果が州により大きく異なり、亀裂を生んだという認識がある。
 トルドー首相は優先順位付き連記投票を推進したが、それを支持する者は少なく、国民の多くは選挙制度改革に関心がなかった。さらにややこしいことに、閣僚の中にもディオン外務大臣・ルブラン漁業大臣・フリーランド国際貿易大臣(肩書きは当時)などは、公然と比例代表制を支持していた。

 トルドー首相は今週下院で、こう述べていた。
「私は長い間、優先順位付き連記投票を推進してきた。野党議員たちは、比例代表制を望んだ。最大野党は、国民投票を要望した。そこにはコンセンサスがない。」
 そして選挙制度改革断念については、1日にこう述べた。
「カナダの安定を害することをするのは、無責任である。選挙の公約を理由に、投票箱の中身をチェックするだけのために、間違ったことをするつもりはない。私は、そのような首相になるつもりはない。」
 新民主党のネイサン・カレン議員は3日、連邦議会で自由党政権を批判した。
「選挙制度改革における裏切りを正当化する必死の試みにおいて、自由党はあらゆる言い訳を使っているが、それは馬鹿げている。」
「比例代表制はより多くの女性、より多様な議員を選び、ともに働いてカナダをまとめる。」
「自由党政権が選挙制度改革を断念したのは、それがカナダの統一に対する脅威だからではなく、自由党に対する脅威だからだ。」


写真:選挙制度改革特別委員会で、ギャラガー指標を示すプラカードを掲げるマリヤム・モンセフ民主機構大臣(当時)。彼女は議会を侮辱したと非難され、後にこのポストから外された。
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ケベック州首相「人種差別という悪魔と共存」 [犯罪・事件]

 1月29日に起きたケベック市モスク銃乱射事件を受けて、ケベック州のフィリップ・クイヤール首相は31日、州内に人種差別という「悪魔」が存在することを認めるとともに、それと共存することを訴えた。
「言葉は重要だ。言葉は人を傷つける。言葉は人の心を切りつけるナイフにもなる。」
 彼は政治家と市民に「言葉を書くとき、口にするとき、よくよく考慮しよう」と訴えた。
 ケベックではほかの地域より差別が潜在的かと問われると、彼はこう答えた。
「それは、コミュニティにより異なる。」
「外国人嫌い、人種差別と排除は、ここに存在する。我々はそれを認め、そして共存しなければならない。いかなる社会も、その悪魔と同居しなければならない。」
「我々の社会は、完全ではない。完全な社会などない。」

 同日ケベック党のジャン=フランソワ・リゼ党首は、党首選のとき「ブルカの下にAK-47を隠すことができる」という理由でブルカ禁止を主張したのは「行き過ぎだった」と認めた。
「私はそれを、今もテロが頻発するアフリカの例として言った。言葉の選択がよくなかった。ケベックに関する議論に用いるのは、適切ではなかった。」
 ケベック党は2013年、物議を醸した「ケベック価値憲章」を提出した。その骨子は、公務員が公共の場で宗教的シンボルを表示することを禁止するものだったが、これが法制化されたら公共の場でのブルカ着用はできなくなることから、ムスリムの公務員は大半が辞職することになっただろう。その後任にケベック人の失業者を充てるという、事実上のムスリム排除政策だとして強い批判を呼んだが、翌年の総選挙に敗れ廃案となった。
 その後政権を担ったクイヤール首相は、ヘイトクライムの沈静化を見て2015年、ヘイトスピーチ禁止法の制定に動いたが、「言論の自由を制限することになる」というケベック党の反対を受けて、断念している。
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「PPAP」を無関係の企業が商標出願 [犯罪・事件]

http://www.asahi.com/articles/ASK1V3GMCK1VUCLV003.html?ref=mixi
インターネット上でヒットしたピコ太郎さんの動画「PPAP」で歌われている「ペンパイナッポーアッポーペン」「ペンパイナッポー」などを、ピコ太郎さんとは関係のない企業が商標出願していることがわかった。
特許庁への商標出願などの情報をまとめている「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」によると、出願されたのは昨年11月で、出願人はピコ太郎さんとは関係のない企業。この企業は同10月、「PPAP」も商標出願しているが、ピコ太郎さんが所属する会社の親会社エイベックス・グループ・ホールディングスも「PPAP」は商標出願している。

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当ブログ管理人である私は、1993年から94年まで、バンクーバーの日本語誌「ふれいざー」で「カナダ人物列伝」を連載した。
ところが宮坂まり編集長は、私の同意なく勝手に「カナダ人物列伝」を商標登録したと言っていた。実際に登録したかどうかは確認していないが、本当に商標登録されたのなら、私が「カナダ人物列伝」のタイトルで出版する場合、宮坂編集長は商標使用料を請求するか、もしくは出版を許可しないことができることになる。まるで「ここで商売するならショバ代払え」と、ヤクザに因縁つけられているような気分である。
また宮坂編集長は、彼女自身を著者とする「カナダ人物列伝」海賊版を無断で勝手に出版、その内容を自作品と偽って日本カナ●学会の学会誌に掲載し、学会員に販売もしたが、著作権侵害で起訴され、学会誌の回収騒ぎを起こし除名された。
なお宮坂編集長は2005年、刑務所に服役している。
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「カナダのトランプ」オリアリーが勝てない理由 [保守党]

 実業家でTVパーソナリティのケビン・オリアリー氏は、すでに保守党党首選に出馬を表明している。だが彼はトランプではなく、ここはアメリカでもない。彼は、党首選に勝つことはできないだろう。
 アメリカは9・11同時多発テロ、イラク戦争、サブプライムローン・ショック、財政危機などのトラウマを経験したが、カナダはそうではなかった。またカナダはアメリカと異なり、不法入国者のために頭を抱えることがない。
 最も重大な相違点は、選挙システムである。トランプは近代史上、最も少ない得票率で共和党予備選に勝っている。「勝者一人占め」のルールは、多くの選挙人を持つ巨大州において、僅差で勝利したトランプに大勢の選挙人を獲得させた。
 だが保守党党首選は、人口・面積で格差の大きい州ごとではなく、格差のほとんどない338小選挙区ごとで、各小選挙区には等しく100ポイントが割り振られる。しかもポイントは「勝者一人占め」ルールではなく、得票に比例して候補に与えられる。そのうえ印を一人につけるのではなく、すべての候補に順位をつけて投票するシステムとなっている。
 選挙区に格差がない以上、候補者はどの選挙区でも奮闘しなければならない。人口の多い特定の地域で強い支持を得れば、それ以外は捨ててかかってもいいわけではない。ところがオリアリー氏はフランス語を話せないため、人口24%のケベックで支持を得ることは難しい。
 また投票率に比例してポイントを獲得するシステムのため、自分が低い得票率のとき、他候補への票の分散は自分を利することにはならない。
 オリアリー氏は金持ちだが、選挙資金は自前ではなく、支持者一人一人から1500ドル以下の献金を募るしかない。また自分の分身として幽霊党員を何人も作り、献金させるという裏ワザも使えない。党費はクレジットカードで支払わねばならず、党費の肩代わりは禁止されている。
 党首選に投票可能な新しい党員が入党できる期限まで、もう10週間も残っていない。政治歴のないオリアリー氏には派閥も選挙マシンもなく、党内での知名度は高くない。選挙はアメリカと異なり、各州を巡回するのではなく、ただ1日で終了するので、選挙期間中にメディアに注目され、知名度を上げるということはできない。
 オリアリー氏は自分を目立たせるため、トランプ氏と同様に「上院議席を競売にかけよ」などの馬鹿げたプロパガンダをぶち上げることだろう。だがここカナダでは、同調者が多くいるとは思えない。
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トルドー首相が内閣改造 [自由党]

 トルドー首相は1月10日、小規模な内閣改造を行った。新入閣が3名、閣外に去った人が3名、閣内の異動が3名で、その他は留任した。閣僚の男女比は、男性15名・女性15名と同数のままである。

 (1) トランプ・プーチンへの最強の「切り札」
 最も注目されるのは、クリスティア・フリーランド前国際貿易大臣の外務大臣昇格である。トランプ次期大統領がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)破棄・NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉を叫ぶ中、困難なCETA(カナダ・EU自由貿易協定)を昨年まとめあげ評価された彼女に、重要な職務が引き継がれることになった。
 彼女はウクライナ系で、英語・フランス語・ウクライナ語・ロシア語・ポーランド語・イタリア語の6か国語を話す。ハーバード大学でロシア史を、オックスフォード大学セントアントニーズカレッジでスラブ語を学び、ローズ奨学金も受け取った。ジャーナリストとしてのキャリアをワシントンポスト紙とエコノミスト紙のウクライナ特派員から始め、フィナンシャル・タイムズ紙編集長・ロイター通信編集者としてイギリスとアメリカで働き、グローブ&メイル紙副編集長も務めている。アメリカ滞在時には「金権政治家:新しいグローバル・スーパー・リッチの勃興とその他大勢の没落」という著書がベストセラーにもなるなど、トランプ氏の取り巻きにも詳しい。
 グローブ&メイル紙時代の2000年、ロシアでプーチン大統領とロシア語で会談しているが、ウクライナ系の彼女はプーチン氏とその取り巻きを批判したことから、その後ロシアへの入国を禁止されている。外務大臣となった彼女が今後も入国を禁止されることはないだろうが、今回の外務大臣起用は、トランプ氏及び彼と親密なプーチン氏への強烈な牽制であることは言うまでもない。なお女性外務大臣は、1979年のフローラ・マクドナルドと1991年のバーバラ・マクドゥーガルに続き3人目となる。

 (2) 冷遇されるベテラン:ディオン氏、政界引退か
 マルク・ガルノー運輸大臣は評価が高く、より重要なポジションへ昇格するものと見られていたが、そうはならなかった。今回の改造では若い人々が起用される一方、ベテランは尊重されなかったようだ。それは、36歳で当選1回のバーディシュ・チャッガー下院院内総務が政権の中枢にいることと関係あるかもしれない。クレチエン内閣の国防大臣とマーチン内閣の退役軍人大臣を務めた当選6回のベテラン、ジョン・マッカーラム移民・難民・市民権大臣(65歳)は、中国大使に転身する。
 同じくベテランのステファン・ディオン前外務大臣(61歳)は、人権侵害国と見られていたサウジアラビアに150億ドルの戦車を売却する契約に合意したことについて、保守党前政権からの合意だったためどうすることもできなかったと抗弁したが、強い批判を受けた。またカナダを訪問した中国の王毅外務大臣が、中国の人権問題について尋ねたカナダ人記者に激昂した際、ディオン氏は抗議せず、事態を傍観した。後にトルドー首相が、抗議した。
 ディオン氏は政治学者出身で、閣僚や党首まで務めたベテランだが、無愛想で、英会話力にも難点があり、外務大臣としては適任でないと言われてきた。ボブ・レイ元暫定党首は、トランプ政権の国務長官が石油大手エクソンモービルの経営者である以上、エコロジストのディオン氏が外務大臣では都合が悪いだろうと指摘した。
 また、クレチエン内閣で首席報道官を務めたピーター・ドノロ氏は、彼をこう評した。
「政治的に成功するための最も重要な要素がEQ(感情指数)だとすれば、それは彼に欠けている一つの要素である。しかし彼は知識と決断力によって、それを補ってきた。」
 匿名の自由党議員は、ディオン氏には人の心を洞察する能力が欠けていると評した。
「彼には多くの強さがある。ただ外務大臣のポストは、彼には似合わない。」
 ディオン氏は、カナダの政治史で何度か重要な役割を演じ、何度か人々を驚かせた。著名な政治学者だった彼は、ケベック独立を問う住民投票が終わった直後、事態を収拾させるためクレチエン首相に請われて、政界に入った。ドノロ氏は、ディオン氏が政治家になったのは、分裂の危機にあるカナダを救いたいという純粋な心からだったという。
 政府間関係大臣(連邦政府と州政府の外交を担当)となった彼は、明確化法を制定した。これには2つの特徴があり、一つは、州が独立するには「明確な多数」の賛成(それが何%なのか明記されていないという点において明確化されていないのだが)を要することと、もう一つは、州の一方的な意思だけで独立はできないということである。このような法律は、いったん沈静化した独立論者の火に油を注ぎ、新たな問題を生むのではないかと警告されたが、大きな反対や暴動はなく、最高裁もこの法律を支持した。
 クレチエン首相を引きずり降ろして首相になったマーチンは、クレチエン派を徹底的に冷遇したが、ディオン氏は環境大臣に任命され、京都議定書に署名した。飼い犬に「キョウト」と名づけ、緑の党のメイ党首にすら「とてもよい環境大臣」と言われた。
 2006年党首選では、本命視されたトロント大学の同級生イグナティエフとレイが意地の張り合いを演じる中、3位・4位連合を結んだディオン氏が決戦投票で逆転勝利を収め、人々を驚かせた。
 党首となった彼は、2008年総選挙を「グリーンシフト」を掲げて戦ったが、景気の足を引っ張るものと敬遠され、大敗を喫した。彼は次の党大会で辞任すると発表したが、自由党党首がレイムダックになったのを見たハーパー首相は、政党助成金の廃止を提唱し野党にとどめを刺そうとした。これに反発した野党3党は、ディオン氏を首班とする連立協定に調印した。野党3党は議会で過半数を占めていたので、彼は惨めな敗北から一転首相の地位を約束されることになったが、誰もが予想しなかった議会の停会により、議会での首班指名を阻止される。革新政党との連立に激怒した党内右派は、この隙にディオン降ろしに着手した。彼は即時の辞任を余儀なくされ、議会が再開されたときにはもはや党首ではなくなっていた。
 彼は平議員になったその後も政治活動を続け、クレチエン・マーチン・グレアム(暫定党首)・彼自身・イグナティエフ・レイ(暫定党首)・トルドーと、7人の党首の下で働き続けたが、それは彼の党派心のなさを示すものである。
 彼はトルドー首相から、EUもしくはその加盟国の大使の地位を提示されたと噂されたが、応じていない。首相は引き続き、彼にふさわしいポストを提示するというが、彼は外交官になって政界を引退するのか、それとも一介の平議員として政治活動を続けるのか、その去就は定かではない。もし彼が外交官になるなら、彼の上司はフリーランド外務大臣となる。

 (3) 新人3名を起用:注目の民主機構大臣は?
 初入閣の一人は、財務政務次官から昇格したフランソワ=フィリップ・シャンパーニュ国際貿易大臣である。ディカプリオ似の三か国語を話す46歳の弁護士は、2009年世界経済フォーラムからヤング・グローバルリーダー賞を授与されている。
 新しく移民・難民・市民権大臣に就任したアーメド・ハッセン氏は、16歳のときソマリアから逃れて来た難民で、トルドー政権では初の黒人閣僚である。
 トロント市内リージェントパークの市営住宅に暮らし、高校時代は陸上選手として注目され、ヨーク大学で学ぶためガソリンスタンドで働いた苦労人でもある。彼は後にリージェントパーク評議会を設立し、この地域の再開発に尽力した。
 選挙制度改革は、もはや誰にも収拾不可能なほどにこじれてしまったが、マリヤム・モンセフ前民主機構大臣の経験不足は、混乱に拍車をかけた。今やトルドー首相は、選挙制度改革を本気で成し遂げる意欲があるのか疑問視されているが、この困難なポストに新たに割り当てられた「生贄」は、彼女よりさらに若い女性カリナ・グールド国際開発政務次官(29歳)だった。彼女は、カナダ史上最も若い女性閣僚である(最も若い閣僚はジャン・シャレーの28歳)。
 彼女はオックスフォード大学で国際関係学を学び、選挙制度改革についての論文を書いた。その後は貿易と投資のコンサルタントとして働き、メキシコの孤児院で1年間ボランティアも経験している。彼女と親しいオンタリオ州のエレノア・マクマホン観光大臣は、グールド大臣を「党派心のない人」と言う。
 トルドー首相は記者会見で、モンセフ大臣をなぜ異動させたのかという質問には答えず、選挙制度改革への意欲を語った。
「私は引き続き、選挙制度改革に邁進する。それには疑問の余地はない。マリヤムがこれまで行ってきた、我々の民主主義を促進するベストな方法について国民と対話するという並外れた任務を、カリーナとともに続けていく。」
 選挙管理委員会は、2019年秋までに実施される次の総選挙を新しい選挙制度で行うためには、関連法案が夏までに上程される必要があると答申している。
 モンセフ前民主機構大臣には、女性の地位担当大臣という「ふさわしいポスト」が与えられた。
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 女性の地位担当大臣だったパティー・ハイデュ氏は、雇用・労働力開発・労働大臣に異動する。このポストに就いていたメリーアン・ミハイチャック前大臣には、新しいポストは与えられず、閣外に去ることになる。
「私はもちろん、失望しています」と、彼女は語った。
「私は人として、女性として、雇用のために常に戦ってきました。そしてこれからも、そうし続けていきます。」
 彼女は労働大臣として、自分のリーダーシップの下で、児童労働を禁止する国際的合意に加わり、臨時雇いの外国人労働者の権利を擁護し賃金の平等を実現するための骨格を作ったと、誇らしげに語った。
「最終的には、40年後に、女性労働者は男性と同じ賃金を得るでしょう。」


写真:左からフランソワ=フィリップ・シャンパーニュ国際貿易大臣、アーメド・ハッセン移民・難民・市民権大臣、カリナ・グールド民主機構大臣。
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